Automotive Report
目次
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150℃で安定動作、燃料電池への応用も
名古屋大学の電気二重層キャパシター
名古屋大学大学院環境学研究科教授の日比野高士氏の研究グループは、動作温度が150℃と高い電気二重層キャパシターを開発した(図1)。減速エネルギーを回生する機能に使える。比較的低いコストで、車両の燃費を10%程度改善できる。今回の成果により、最高で125℃以上に達する自動車のエンジンルーム内でも、高い…
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駆動用モーター内に柔軟に配置できる
スミダコーポレーションの角度センサー
スミダコーポレーションは、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)などの駆動用モーターに使う角度センサーを開発した。渦電流式という手法を用いて、モーターのローターの回転角をセンサーで検出する。モーターの大きさに合わせて、センサーを柔軟に配置できるのが特徴だ。
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自動運転車の自車位置を“軽く”推定
三菱電機の研究開発成果披露会
三菱電機は2015年2月、最新の技術成果を発表した。自動運転車の開発で今後重要になるSLAM(simultaneous localization and mapping)技術や自動車で使えるセキュリティー技術、NC加工機の加工精度と速度を上げる制御手法といったソフトウエア面の成果が注目を集めた。
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燃料電池車はEVよりも何が優位か
トヨタ「MIRAI」の開発責任者に聞く
世界で初めて量産型の燃料電池車(FCV)を発売したトヨタ自動車は、FCVを「究極のエコカー」(同社副社長の加藤光久氏)と断言する*1。トヨタのFCVに対する力の入れようは突出しており、2015年1月にはFCVに関連する特許約5680件の実施権を無償提供すると発表した。FCVのメリットは何か、ライバル…
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コニカミノルタ参入、Valeo社も視野
レーザースキャナーの低価格化進む
自動運転を実現する上でカギを握るセンサーが、赤外線レーザースキャナーである。その低価格化が今後進みそうだ。コニカミノルタは、一般的に流通する汎用的な発光素子と受光素子をそれぞれ1個しか使わない技術の開発に着手。フランスValeo社も、素子の削減を視野に入れて開発している。
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トヨタなどが販売計画を下方修正
2014年度の自動車生産・販売見通し
自動車メーカーの業績が好調に推移している。2014年度通期(2014年4月~2015年3月)の決算では8社のうち5社が、過去最高の営業利益を達成する見通しである(表1)。しかし、その追い風になっているのは、販売が好調な北米市場や円安の進行などに限られる。日本やアジアの販売不振などの影響で、トヨタ自動…
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顧客重視のクルマを低コストで作る
「次世代プラットフォーム戦略」セミナー報告
自動車分野に詳しいコンサルタントやジャーナリスト、メーカーの技術者などが、本誌主催のセミナー「モジュール化や統合化で競う、次世代プラットフォーム戦略」に登壇。進化するクルマづくりの最前線や、顧客目線に基づく「インダストリー4.0」への対応などの将来の方向性について語った。
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鉄とアルミの車体骨格を開発
神戸製鋼所の軽量化技術
神戸製鋼所は同社の研究開発拠点である神戸総合技術研究所に、自動車の車体骨格の衝突試験設備を導入する。投資額は2億~3億円で、2015年4月から稼働させる予定だ。新設備を用いて、鉄やアルミニウム合金を組み合わせた車体骨格の強度などを独自に測定し、自動車メーカーへの提案力を高める。
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自動運転の原価は年10%低減
BCG社の調査レポート
経営コンサルティング会社の米Boston Consulting Group社は2015年1月、自動運転に関する調査レポート「Back to the Future:The Road to Autonomous Driving」を公表した。高速道路での部分自動運転が2016年から、完全自動運転は2025…
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ヘッドランプを軽量・低コスト化
東レの白色LED用蛍光体シート
東レは、白色LEDデバイスを光源に使ったヘッドランプの軽量・低コスト化や省エネ化に役立つ蛍光体シートを開発した(図1)。シリコーン樹脂を主成分とするバインダーに蛍光体を分散させたシートで、青色LEDと黄色の蛍光体、あるいは赤・緑色の蛍光体を組み合わせた白色LEDデバイスに適用できる。
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欧州が先陣、2016年から実用化へ
48Vシステムはハイブリッドの主流になるか
自動車分野に精通するコンサルタントやジャーナリスト、部品メーカーの技術者などが、本誌主催のセミナー「48Vシステムはハイブリッドの主流になるか」に登壇。同システムの実用化に向けた取り組みの最新動向や、普及の課題などを語った。
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燃焼性能が10%高い「HF120」開発
ホンダ航空機エンジンR&Dセンター
ホンダは2014年12月、航空機エンジンの研究拠点である本田技術研究所の「航空機エンジンR&Dセンター」(埼玉県和光市)を初めて公開した。同センターは、「HondaJet」に搭載する小型ジェットエンジン「HF120」の設計・解析から試作、組み立て、試験など一連の作業を手掛けた、いわばホンダ航空機事業…
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米ベンチャー、自動車革命を狙う
クルマの車体に3Dプリンター
米ベンチャーのLocal Motors社が、3Dプリンターで車体を成形する電気自動車(EV)を実用化する(図1)。早ければ2015年4月にも受注を開始する。彼らが目指すのはEVの販売だけにとどまらない。見据えるのは、過去100年以上の時間をかけて構築してきた大量生産モデルとの決別だ。挑戦が成功すれば…
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セキュリティー技術がさらに重要に
「オートモーティブワールド2015」
クルマの先端技術展「オートモーティブワールド2015」が2015年1月に開催された(図1)。先進運転支援システム(ADAS)や自動運転技術に注目が集まる中、それらを実現するための通信セキュリティーに関する展示も多く見られた。
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今の水素は「グリーンとは言えない」
VW社のFCV戦略
ドイツVolkswagen(VW)社の電気・電子部門トップであるVolkmar Tanneberger氏は2015年1月中旬、報道関係者のインタビューに応じ、燃料電池車(FCV)などの戦略を語った(図1)。ライバルのトヨタ自動車がFCVの開発に力を注いでいるが、VW社は現時点で否定的な見方を示した。
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後退だけでなく、切り返しにも対応
トヨタ自動車の新駐車支援システム
トヨタ自動車はミニバン「アルファード/ヴェルファイア」を全面改良し、カメラと超音波センサーを組み合わせた新しい駐車支援システム「インテリジェントパーキングアシスト(IPA)2」を初採用した(図1)。従来できなかった縦列駐車に加え、いったん前進してステアリングを切り返して後退することも支援する。
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大量のシリカでタイヤの性能を向上
ブリヂストンと花王のタイヤ用分散剤
ブリヂストンと花王は、タイヤのゴムに使う分散性向上剤(分散剤)を共同で開発した。ゴム中にシリカ(SiO2)を多く入れることで、燃費、ウエットグリップ、耐久性を総合的に上げることができる。
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トヨタとダイハツが攻めるインドネシア
「アジアものづくりカンファレンス」報告
日経BP社は2014年11月、海外産業人材育成協会(HIDA)、HIDA-海外技術者研修協会(AOTS)同窓会インドネシアと共同で、「アジアものづくりカンファレンス」をインドネシア・ジャカルタで開催、トヨタ自動車、ダイハツ工業の現地子会社などが講演した。
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「HEVやFCVに注力しすぎ」
自動車業界の今後10年を見通す
自動車業界を専門に分析するアナリストやコンサルタントらが、本誌主催のセミナー「自動車産業、今後10年のリスクを見極める」に登壇。新興国市場やパワートレーン技術、ビジネスモデルなどの見通しを示した。
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凝固中も上型を押し、鋳巣をつぶす
アイダエンジニアリングのAl加工法
アイダエンジニアリングは、鋳巣(欠陥)のほとんどないAl(アルミニウム)製品の加工法を開発した(図1)。Alが凝固、収縮する間、収縮に合わせて上型を押し続けることで、鋳巣をつぶす。