Automotive Report
目次
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Continental社がデンソーを猛追
トヨタの自動ブレーキ戦略
トヨタ自動車が2015年から実用化している自動ブレーキ「Safety Sense」用センサーの調達先を一部変更したことが分かった。同ブレーキには、先行車を認識する基本機能の「C」と、歩行者まで認識できる上位機能の「P」がある。同社は、後者の部品メーカーをデンソーの単独供給からドイツContinent…
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技術検証にメド、DSRCをなくせるか
クルマに低遅延・高速無線通信「5G」
第5世代移動通信「5G」の開発が急速に進んでいる。スマートフォンなどの携帯端末に加えて、自動車に使うことを見据える。現行世代の「LTE」に比べて高速に大容量のデータを送れる上、遅延時間が1ms以下と短い。日本では2020年に実用化する見込みだ。
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4WD車、雪道でもスリップなく発進
GKN社の電子制御カップリング
英GKN社の日本法人GKNドライブラインジャパンは、次世代の電子制御カップリングを2018年から量産する。雪道に代表されるグリップ力が弱い路面での制御性を高めた。開発品を搭載した試作車を用意し、自動車メーカーの担当者に体験させた(図1)。
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拡大する駐車場シェアに続々参入
クルマの利便性を高める新しいシェア
普及するカーシェアに続き、2014年に日本で始まった「駐車場シェア」が広がり始めた(図1)。先駆ける新興企業の躍進を見て、駐車場事業の大手2社が追いかける。簡単に駐車場をシェア(共有)するための技術開発も進み始めた。
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低速自動運転で弱点解消
「ゴルフ」大改良でMQB急増
ドイツVolkswagen(VW)社が、同車の主力プラットフォーム「MQB(横置きエンジン車用モジュールマトリックス)」を搭載する車両の競争力を底上げする。2016年11月、MQBの主力車種である「ゴルフ」を大幅に改良すると発表した。パワートレーンを刷新し、遅れていた運転支援技術を充実させた。今後2…
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夜間対応品でデンソーが採用
ソニーの車載CMOSイメージセンサー
ソニーの車載センサー事業がようやく立ち上がる。CMOS(相補型金属酸化膜半導体)イメージセンサー市場で世界首位の同社が、車載向けでも量産や新規採用を決めた。武器は、夜間でもヘッドランプ程度の明るさで人などを検知できる高感度センサーだ。
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摩耗速度を6割減、質量を4割減
ブリヂストンの摩耗しにくいタイヤ
ブリヂストンは、自動車のタイヤに使える摩耗しにくいゴム材料を開発した。既存品と比べて、摩擦係数は同等にでき、滑りやすくならない。タイヤに使うゴム材料を減らして、軽くすることもできる。2020年以降の実用化を目指す。
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北米市場での巻き返しに全力
国内自動車7社の2016年度販売計画
国内自動車メーカー7社の2016年度上期(2016年4~9月)の世界販売台数は、5社が前年同期の実績を上回った。通期でも6社が販売台数を増やす計画である(図1)。ただし稼ぎ頭の北米市場は変調を来し、「トランプリスク」が浮上している。各社は新車投入や販売手法の見直し、メキシコの生産・輸出拠点としての強…
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小型で見やすいHUDが続々と
CEATEC JAPAN 2016報告
IT・エレクトロニクスの総合展示会「CEATEC JAPAN 2016」が2016年10月に開催された。自動車関連ではヘッド・アップ・ディスプレー(HUD)や液晶メーター、タッチパネルなど自動運転時代に向けて進化させた車載部品の展示物が多く見られた。
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レベルの異なる自動運転に対応
NVIDIA社の自動運転プラットフォーム
米NVIDIA社は自動運転の開発プラットフォーム「DRIVE PX 2」とその上で動作するソフトウエア基盤(OS)「DRIVEWORKS ALPHA 1」を提供している。同社の最高経営責任者のJenHsun Huang氏が、2016年10月に東京都内で開催した同社の技術イベントで詳細を国内で初めて解…
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デジタル対応で顧客体験を革新
Volkswagen社の電動車戦略
ドイツVolkswagen(VW)社が電動化への歩みを着実に進めている。2015年6月にはVolkswagenグループの将来戦略「ストラテジー2025」で、2025年には生産台数の25%にあたる300万台の電気自動車(EV)を生産すると発表。さらに9月に開かれたパリモーターショーでは、電動車のコンセ…
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実験車両を日本で新たに開発
Bosch社の自動運転技術
ドイツBosch社は2016年9月下旬、日本法人のボッシュが北海道のテストセンターで開催した技術試乗会で、開発中の自動運転技術や安全システムなどを公開した(表)。日本で新たに開発した実験車を用いて、自動運転のデモンストレーションを行った。「レベル3」の自動運転に対応したもので、高速道路において202…
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樹脂の新たな使い方を示す
東レの「先端材料展2016」
東レは2016年10月にプライベート展示会「先端材料展2016」を開催し、新しいコンセプト車を公開した。異種材料で構成するボディーを想定し、樹脂や炭素繊維強化樹脂(CFRP)の新たな使い方を示した(図1)。
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Google追って仮想空間で走らせる
自動運転車の仮想試験環境が整う
自動運転車の開発で、米Google社が力を注ぐのが仮想走行試験だ。コンピューター上に走行空間を構築し、自動運転車のアルゴリズムを検証する。日本は遅れていたが、同試験を進めやすくするツール開発が進み始めた。
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深層学習の機能を短期に導入可能に
三菱電機のAI技術
「認識対象を識別するためには学習データからどんな特徴を抽出すればよいか」を、人工知能(AI)が自動的に学ぶディープラーニング(深層学習)。自動運転の実現に向けて、自動車業界でも注目されている。三菱電機は、その深層学習の機能を短期間に機器に盛り込めるようにする技術を開発した。
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車載用に低コスト・省電力化を追求
デンソーの人工知能開発
デンソーグループが、人工知能(AI)の研究開発を加速させている。今後2年間で、AI研究者を2.5倍に増やす計画だ。開発技術の応用先は自動運転車やADAS(先進運転支援システム)である。車両周囲の環境を認識・推定する精度を向上させ、カメラやミリ波レーダーといったセンサー類の競争力を高める。
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EVの航続距離を300kmに延長
BMW社のパワートレーン戦略
ドイツBMW社は2016年7月、報道陣向けのイベント「Innovation Days 2016」を開催し、電気自動車(EV)「i3」の新しい電池をはじめとした電動化技術、内燃機関の新パワートレーンについて発表した。
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ホンダやアイシンが本格復旧へ
熊本地震から半年
震度7の極めて強い揺れを2回観測した熊本地震。熊本県に工場を構えるホンダやアイシン精機などが生産停止に追い込まれたのは記憶に新しい。それから、まもなく半年を迎えようとしている。現地を訪れてみると、地震の爪痕は残るものの、生産の本格復旧に向けた確かな足取りを確認できた。
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台頭するMobileyeに挑めるか
パイオニアが単眼カメラで注意喚起
パイオニアは2016年9月末、単眼カメラで前方車両を認識し、車間距離が短くなると映像と音で運転者に注意を促す運転支援機能を日本で発売した(図1)。カメラは後付けで、同社のカー・ナビゲーション・システムと組み合わせて使う。アフターマーケット向けだが、将来は単眼カメラを使った自動ブレーキへの応用を見据え…
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アルミ合金の中空化で5割軽く
エフテックのブレーキペダル軽量化技術
エフテックは、従来の中実鋼製部品を中空のアルミニウム(Al)合金部品で置き換え、5割軽量化したブレーキペダルを開発した(図1)。高級車などに向けて売り込んでいく。断面形状の最適化や樹脂の選定などに、独自開発の解析技術を活用。車体の軽量化に向け、同技術を他の部品にも適用したい考えだ。