Automotive Report
目次
-
大容量メモリー内蔵、統合制御ECUに
ルネサスの28nm制御マイコン
ルネサスエレクトロニクスは2016年9月、回路線幅が28nmと微細なプロセスで造る車載制御系マイコンを台湾TSMC社と共同で開発すると発表した。フラッシュメモリーを内蔵し、制御信号を速く出力できる。シャシーとパワートレーンなどを統合制御するECU(電子制御ユニット)や、制御系ECUのセキュリティーを…
-
直噴化や軽量化で燃費を5%向上
新型インプレッサの2.0Lエンジン
富士重工業が2016年秋に発売する新型「インプレッサ」に搭載する排気量2.0Lの新型エンジンは、燃料の供給方式を従来のポート噴射から直噴に変えた。部品設計の見直しや材料の変更によって、質量は約12kg軽くした(図1)。これらの改良によって、スポーツタイプの車両としての動力性能を高めながら、燃費は約5…
-
レーダーで自転車や交差点事故を防ぐ
Continental社の衝突回避技術
ドイツContinental社は2016年9月中旬、千葉県旭市のテストセンターで開催した技術試乗会「TechRide 2016」で、開発中の衝突回避技術や低速域の追従技術などを公開した。2018~2020年ごろの実用化を目指す(表)。
-
PHEVの開発中止は“光”になるか
三菱の燃費不正問題続報
燃費不正問題に揺れる三菱自動車は“改心”できるのか。難局の舵取りを託されたのは、日産自動車出身の山下光彦氏。三菱の副社長に転じた同氏は就任以来、開発現場に足を運んで不正の温床をその目で確かめている。2016年8月に開催した記者会見では、三菱が抱える問題点を明らかにするとともに…
-
組み立てから完成まで3時間に
ホンダの最新製造ライン
ホンダは2016年8月、鈴鹿製作所と浜松工場の製造ラインを報道関係者に公開した。世界6極体制の強化に向けて、各地域での生産能力を柔軟に補完する体制を構築している。また、2030年をメドに世界販売台数の3分の2を電動車に置き換えることを目指し、モーターの増産も進める。
-
2020年以降、衝突試験をさらに強化
Euro NCAP 2016フォーラム報告
欧州の自動車アセスメントを策定するEuro NCAPは2016年8月、「第3回2016 NCAP & Car Safety Forum in Tokyo」において、最新ロードマップを紹介した(表1)。当面で重要になってくるのが、実際の事故実態に即して導入される新規の衝突安全試験だ。自動車メーカーは、…
-
モーターとECUを分離、2割小型化
Schaeffler社の電動可変バルブタイミング機構
ドイツSchaeffler社は、電動可変バルブタイミング機構(VVT)を開発した。モーターでエンジンの吸気弁が開くタイミングを早めたり(進角)、遅くしたり(遅角)することで、燃費や排ガス性能を改善できる。デンソー製の従来品に比べて質量は1割減、モーターと減速機構を組み合わせた長さは10~20%減にで…
-
火薬を1個に抑えて量産車に採用
富士重工の歩行者頭部保護エアバッグ
富士重工業は2016年秋に発売する新型「インプレッサ」で、歩行者頭部保護エアバッグを搭載する(図1)。スウェーデンVolvo社など上級車での採用例はあったが、国内メーカーとしての搭載は初めて。インフレーター(火薬)の数を1個に減らし低コスト化することで量産車への搭載を可能とした。
-
貼り合わせ工数削減し、コスト3割減
タチエスの新シート設計
タチエスはシートを安く、軽量に生産する手法を開発した。カバーとクッションの貼り合わせ工数を削減することで、加工コストを3割削減する(図1)。2018年頃の量産を目指す。
-
手を触れずにドアを自動で開閉
Continental社のスマートキーシステム
ドイツContinental社の日本法人であるコンチネンタル・オートモーティブは2016年7月に横浜市内で、Continental社が開発中の「スマートキーシステム」のデモを行った(図1)。キーに手を触れずにドアの施錠・解錠などができるのが特徴である。スマートフォンをキーとして使える。
-
LiDAR軸にセンサーフュージョン
自動運転の無人レース「ROBORACE」
自動運転車を使ったレース「ROBORACE」が加速している。人工知能(AI)を使ったソフトウエアが勝敗を決める新しい取り組みの全体像が、徐々に明らかになってきた。2016年8月に入り、レース車両の内部や開発用のテスト車両が公開された。
-
高速道路の渋滞追従に対応
日産自動車の運転支援技術
日産自動車は2016年7月末、高速道路の単一車線上での運転を支援する「プロパイロット」を発表した。渋滞走行など低速域でも、アクセルやステアリング、ブレーキを自動操作するのが特徴。日産は“自動運転技術”と呼ぶが従来と同様の運転支援システムであり、運転者は運転に注意を払う必要がある。
-
大同特殊鋼とホンダがHEVで実用化
Dyレスのネオジム磁石が登場
大同特殊鋼とホンダは、重希土類のDy(ジスプロシウム)などを使わないNd-Fe-B(ネオジム-鉄-ホウ素)系磁石(以下、ネオジム磁石)を開発した。ホンダが、ハイブリッド車(HEV)用モーターに採用する(図1)。高価で産出地が限られるDyなどを使わないネオジム磁石をHEV用モーターに搭載するのは、「世…
-
パワートレーンの廃熱を暖房に活用
Bosch社のEV向け冷却水システム
ドイツBosch社は、冷却水による熱循環で電気自動車(EV)のエネルギー効率を高めるシステム「インテリジェント・サーマル・マネージメント」を開発している(図1)。駆動用モーターやインバーター、車載充電器といったパワートレーン側の廃熱を回収して暖房に活用することで、EVの航続距離を最大25%向上できる…
-
2020年にバイオ燃料100円/L台
デンソーが「藻」の大型培養施設
デンソーが、バイオディーゼル燃料(BDF)の大量生産技術の開発に本腰を入れる。BDFの“原料”として本命視される「藻(も)」の大型培養施設を熊本県天草市に建設した(図1)。藻から造るBDFが、化石燃料のディーゼル燃料と価格で競える水準にする道のりは長い。デンソーは2030年以降を見据え、培養施設で低…
-
外部企業から安全試験を受託
トヨタ電池子会社の新サービス
トヨタ自動車子会社で電池パック開発・製造・販売を行うプライムアースEVエナジー(PEVE)が、車載電池パックの安全試験の受託サービスを始めた(図)。2016年7月から国際的な安全基準「UN ECE R100-02. Part II」が始まり、自動車および電池メーカーは電池の安全試験を実施する必要に迫…
-
HEV/PHEV向けターボを開発
三菱重工のパワートレーン戦略
三菱重工業は、3種類のターボチャージャーを開発する。2019年をめどに、ガソリンエンジン向けの可変容量ターボチャージャーを実用化する他、2020年をめどにマイルドハイブリッド車(マイルドHEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)向けを投入する。
-
私有地の専用レーンを自動で走行
DeNAの無人運転バス
ディー・エヌ・エー(DeNA)は2016年8月1日、千葉市美浜区の豊砂公園内の往復500mの専用レーンで、自動運転バスの試験運行を開始した。フランスEasyMile社の無人運転車両「EZ10」を使い、事前に手動で運転して作成したルートに沿って走行する(図1)。
-
2モーターでEV走行性能を高める
トヨタ自動車の新型PHEV
トヨタ自動車は2016年6月に、プラグインハイブリッド車(PHEV)の新型「プリウスPHV」を日本で初めて公開した。2016年秋に日米欧で発売を予定しており、電気自動車(EV)走行の距離を延ばし、走行性能を向上させたのが特徴である。日本・欧州仕様車には、太陽光充電システムを搭載した(図1)。
-
新型プリウスから開発プロセスを刷新
トヨタ自動車の制御ソフト開発
トヨタ自動車は、2015年12月に発売した新型「プリウス」から、ハイブリッドシステムの制御ソフト開発プロセスを全面的に刷新したことを明らかにした。2016年6月にdSPACE Japanが都内で開催した「USER CONFERENCE 2016」で同社HVシステム制御開発部部長の阿部眞一氏が講演し、…