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目次
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半導体産業の大きな柱に、ハッキングを前提にした対策を
【テクノ大喜利まとめ】IoTセキュリティーの攻め所
来たるべきIoT時代には、自動車や医療機器、電気・水道・ガスなどライフライン、交通インフラといった生きるために欠かせないシステムが、インターネット経由で管理・制御される。豊かな生活や社会を生み出す仕組みであることは確かだが、システムの破壊、不正操作、情報漏洩を目論むハッカーの眼にも便利で魅力的なもの…
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半導体産業の構造変化、実像が明らかになるのはこれから
2015年は、半導体業界をはじめとするエレクトロニクス業界全体で、超大型M&Aが相次いだ。業界をリードする企業がリスク覚悟で賭けに出る様は、未曾有の構造変化が着実に起きていることを印象づけた。そして2016年。エレクトロニクス業界は、どちらに向かい、どのような動きが顕在化してくるのだろうか。
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中台、スマホ失速の危機に、メイカーズへ種まき躍起
IoT、メイカーズ。これらが次の産業の牽引役と言われて久しい。しかし中身はまだ生煮えだ。グローバルでニッチな需要をとらえる前に、ハードウエアの量産や拡販で失敗する企業が後を絶たない。台湾や中国ではこれらの障壁を乗り越えることを、強力に支援する新たな企業が増えている。この動きや手法を見ていこう。
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ソニーが目指す先は、IntelかそれともAppleか
ソニーの業績が好調である。2015年上期の連結決算では、売上高が3兆7007億円、当期純利益が1159億円を計上。好調の原動力はイメージセンサーである。
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電力系統安定化の切り札、Liイオン電池の導入拡大へ
日本勢にチャンス
米国の電力系統網の周波数変動を安定化させるための技術として、Liイオン電池を活用した蓄電システムに注目が集まっている。太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの導入量が増え、電力系統の出力が変動しやすくなる際に、蓄電システムを活用して電力系統の周波数が不安定になるのを防ぐ。Liイオン電池は、電力…
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ウエアラブルは、“御守”や“家庭教師”の未来の姿か
近未来のICT産業は、クラウドコンピューティングやビッグデータ、人工知能、IoTといった技術を基軸にして発展していく。この点を疑う余地はなくなってきた。これらの技術に関連したキーワードの1つに「ウエアラブル」がある。人と仮想空間の間をつなぐ機器として、スマートグラスやスマートウォッチなどが重要な役割…
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「民話の里」の太陽光発電、直流高圧1000Vで損失低減
遠野物語の舞台が再エネ拠点に
柳田国男氏の著作「遠野物語」で知られる岩手県遠野市。この民話の里で、出力840kWの太陽光発電施設がこのほど運転を開始した。遠野物語の主要な舞台となった青笹村(現・遠野市青笹町)に設置された、「青笹太陽光発電所」だ。
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電力のロス減らす、「直流給電」いよいよ実用化へ
シャープや三菱電機など続々
電力を直流で供給する「直流給電システム」の製品化に向けた動きが活発だ。シャープは、直流(DC)でも稼働する「DCハイブリッドエアコンシステム」を2015年内に発売するほか、三菱電機は「中低圧直流配電システム実証棟」を建設し、直流給電システムの商品化を加速すると発表した。
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絶妙のタイミングで登場した3D XPoint、業界標準になるのは確実か
米Intel社と米Micron Technology社は共同で、「3D XPoint Technology」と呼ぶ次世代不揮発性メモリー技術を発表した。NANDフラッシュメモリーに比べて1000倍高速で、1000倍書き換え寿命が長い。しかもNANDフラッシュと異なり、ランダムアクセスメモリーとして利…
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10兆円の紅色資本が半導体産業を再編する
猛烈にM&Aが進む半導体業界に、途方もない買い手が出現した。中国政府である。2020年までに10兆円近くを使う。中国系投資会社は中国特有の資金力を背景に、“爆買い”を次々と決定。米国企業による2.3兆円の買収劇も演出し、東芝を追い立てている。中国の半導体戦略を見ていく。
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NANDを中心事業に据えるため、東芝はその潔白を丁寧に説明すべきだ
東芝のいわゆる「不適切会計問題」は、同社の今後の事業に大きな影響を及ぼすことが必至の情勢だ。
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水素、蓄電池、キャパシターを使い分け、再エネだけで電力をほぼ自給
太陽光と3つの蓄エネ設備を導入
「米倉山太陽光発電所」は、山梨県の甲府駅からクルマで30分ほどの山間にある出力10MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)だ。山梨県企業局が、東京電力との共同事業として県有地に建設した。2012年1月に運転を開始した当時、国内最大級の規模を誇り、メガソーラー時代の先駆けとなった。山梨県の日照時間の長…
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ガラパゴス化するロボット大国、半導体産業とともに戦略の再考を
これまで日本は、自他ともに認める「ロボット大国」だった。産業用ロボット市場での日本企業のシェアは圧倒的。さらにソニーの「AIBO」、ホンダの「ASIMO」のような、応用を広げる取り組みにも積極的だった。
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ゲームチェンジ狙うIntel、新型メモリーで差異化目指す
パソコン業界の雄である米Intel社。ここへきて、メモリー技術で業界に新たなイノベーションを起こそうと動き出した。NANDフラッシュメモリーの1000倍という高速アクセス性能を武器に、DRAM機能の一部代替も目指す。同社が2015年8月に米国サンフランシスコで開催した開発者向け会議「Intel De…
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地上駅に「ソーラー発電所」、屋根上の太陽光発電が1MWに
太陽光の活用で省エネ目指す
千葉県船橋市の西船橋駅は、JR東日本と東京地下鉄(東京メトロ)、東葉高速鉄道が乗り入れる千葉県屈指のターミナルだ。5~8番線は東京メトロ・東西線のホームで、水色のラインカラーの入った電車が忙しく行き交う。
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パワーバランスの変化で、得られる機会も抱える危機も大きい
米Avago Technology社が米Broadcom社を370億米ドルで、米Intel社が米Altera社を167億米ドルで買収することになった。いずれも半導体の勢力図を大きく変えるインパクトのある大型M&Aである。
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再エネ100%の電動モビリティ、土日は回転率300%と大人気
太陽光と蓄電池を連携した充電システムを構築
2015年4月4日~6月3日に、福岡県の人工島「福岡アイランドシティ」で「再生可能エネルギーを利用した地域モビリティの実証事業」が実施された。太陽光と風力による再エネ100%の電気で電動アシスト自転車の蓄電池を充電し、地域住民の間で共同利用(シェアリング)する試みだ。
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ハードベンチャーの救世主、“黒子”が製品を現実に
「ハードウエアスタートアップ」と呼ばれるような、独自のハードウエアを軸にしたサービスを展開するベンチャーの起業が盛んだ。これまで米国が中心だったが、最近では日本発のハードウエアスタートアップが増えてきた。事業化する上でのハードルは幾つかあるが、日本での最大の課題は、製品を量産することだ。そこで、日本…
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弱った日本の電子産業に、手を差し伸べたのは、敵か味方か
2015年3月、米Apple社が横浜市綱島のパナソニックの工場跡地に、大規模な技術開発拠点を開設すると発表した。2015年度内に建物の建設に着手し、2016年度から稼働する予定だ。開設する研究所は、1万2500m2の敷地に、4階建て延べ床面積が2万5000m2と、都心にある研究所としては、結構大規模…
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メガソーラーへの設置進む蓄電池、韓国メーカーが低価格で提供
短周期変動の抑制に必須
「韓国メーカーが、事業の成り立つ価格で蓄電池を提供してくれた」(エジソンパワー)─。2015年4月に鹿児島県の徳之島で売電を開始した出力1. 99MWのメガソーラー「御船徳之島太陽光発電所」には、容量780kWhのLiイオン2次電池が設置されている(図1)。これは実証事業ではなく民間の発電事業である…