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ロボットでの高速ビジョンの利用イメージ。アームの先にアクチュエーターを付けてここを制御する。(図:石川氏)
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 1000フレーム/秒級の超高速の撮像素子を使って、日本の新しい「メシの種」を創る─。そんなプロジェクトが始動した。

 旗振り役は、東京大学大学院 情報理工学系研究科 教授の石川正俊氏。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「クリーンデバイス社会実装推進事業」の1つ「高感度・高速・低ノイズのCMOSイメージャーを用いた高速画像処理の実用化」プロジェクトで取り組む。期間は2016年6月末まで。プロジェクトにはソニー、日産自動車、同大学発のベンチャー企業のエクスビジョンも参加する。

 今回のプロジェクトで取り組むのは、コンピューターの“目”としての撮像素子の活用である。これまで、撮像素子は現実の風景を写し、人間の目にいかにきれいに見せるかを競ってきた。しかし、競争によって撮像素子の解像度と感度は十分に高まり、技術の進化が人間の目にはほとんど見分けられない領域に達しつつある(図1)。

図1 撮像素子の適用先をコンピューターに向ける
これまで撮像素子は、画像をきれいに撮影するために高解像度/高感度を追い求め、フレーム速度の向上は重視されてこなかった。ヒトも目を超える高解像度化が可能になった今、ヒトを対象にしていたのでは新しい展開は難しい。コンピューターにとっては高フレームレートであるほど、価値を生む。(図:石川氏の図に本誌が加筆)
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 そこで石川氏らが目指すのが、撮像素子の進化の方向性を変えることである。高画質化ではなく、フレーム速度の高速化を狙う。つまり、高速ビジョンの実現だ。「コンピューターにとってはフレーム速度は速ければ速いほどアプリケーションがある」(石川氏)。