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 今回は、かつて香港と並んでアジアのものづくりのメッカだったシンガポールの現状についてレポートする。

 30年ほど前までシンガポールのものづくりは、金型製造のような基盤産業から最先端工作機械製造まで非常に幅広く、「シンガポールのジュロン地域に製造工場を持つ」という夢を持つ日本のものづくり企業は多かった。ものづくり関連の展示会も盛んに行われ、欧州の「EMOショー(欧州工作機械見本市)」や米国の「シカゴショー(IMTS、国際工作機械見本市)」、日本の「JIMTOF(日本国際工作機械見本市)」と並んで、シンガポールで開催される展示会もアジアを代表するイベントとして、世界の機器メーカーがこぞって出品した。

* EMOショーは奇数年に開催され、近年はドイツ(ハノーバー)もしくはイタリア(ミラノ)で開催されている。

 しかし、シンガポールは日本の淡路島と同じくらいの狭い土地しかない。水も自国内の水源だけでは賄いきれないため、マレーシアからの購入に頼っている。石油や鉱物のような資源もほとんどない。あるのは人的資源だけである。

 シンガポールの人口構成は中華系が中心だが、他にもマレー系、インド系、欧米系とさまざまな民族が集まっている。シンガポール人はまさにコスモポリタンと呼ぶにふさわしい国際人であり、「国家」に対する認識も他の国とは全く違っている。