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セキュアーICを車載に提案

 企業向けIT機器で採用実績があるセキュアーICを展示して、セキュアーICの実績を訴えると共に、そのICを車載向けに提案できるとアピールした。

 両社の説明員とも、「車載ICの信頼性テスト規格『AEC-Q100』に準拠させたり、温度保証範囲をクルマ向けに広げたりして、車載向けのTCG TPM仕様セキュアーICを提供可能」という。

図4 ドイツInfineon Technologies社のセキュアーICを車載通信機器に採用した例
暗号化処理IC「SLI97」を採用したイスラエルAutotalks社製アンテナモジュール。
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図5 イタリア・フランス合弁STMicroelectronics社が出展したセキュアーICの例
TCG TPM仕様のIT機器向けセキュアーIC以外に、車載に対応したセキュアーICも出展した。
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 さらに両社は、IT機器向けのTCGTPM仕様のセキュアーIC以外に、車載を意識したセキュアーICも展示した。Infineon社は、暗号化処理IC「SLI97」が、イスラエルAutotalks社の車載通信機器のリファレンス設計に採用されたとした(図4)。一方、STMicro社はTCG TPM仕様を満たすためのファームウエアを搭載しないセキュアーマイコン「ST32F512」を展示して、「ユーザーが目的にあったセキュアー用ファームウエアを載せられる」とアピールした(図5)。

 ハッキング対策が必要なのは、「ADASや自動運転のためだけではない」と指摘するのは、ルネサス エレクトロニクス第一ソリューション事業本部副事業本部長兼車載制御システム事業部事業部長の吉岡真一氏だ。同社では、テレビなどの家電製品やPCなどの情報機器と同様、車載ソフトウエアもネットワーク経由で更新するようになるとみる。

 「米国など国土の広い場所では、ソフトをディーラーでしか更新できないのはコスト面から厳しい。セキュリティーを確保してリモートで更新できるようにすれば、リコールの削減にもつながる」(同氏)という(図6)。

図6 車載ソフトウエアのリモートによるアップデート
遠隔地からでもネットワーク経由で制御プログラムを車両に送信し、最新のものにアップデートすることができる。(ルネサスエレクトロニクスのスライドを基に本誌が作成)
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 ハッキング対策のポイントの一つが、情報処理系の車載ICと制御系のICの間に設けるセキュリティーゲートウエーだ。これは悪意のあるものは通さず、意味のあるものは通す仕組み。実現方法はさまざまだが、「ソフトウエアによるものが現実的」(同氏)という。現在、ソフトウエアベースの同ゲートウエーを開発中で、2015年中には具体的な姿を見せられると同氏は言う。