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衛星、住宅、ロボット、公共交通、エネルギー、無人航空機――。米Google社が買収する多岐にわたる企業は、一見クルマと関係ないようで、「都市の効率化」という構想の中ですべてつながる。クルマは都市情報を収集する一端末だ。さらに同社の描く未来図を自らの好機と考え、メガサプライヤーが動き始めた。

 「あんな“箱”」─。

 国内大手完成車メーカーの幹部がそう表現するのが、米Google社が開発中の完全自動運転車(グーグルカー)だ(図1)。“箱”とは「走る楽しみがない、無人で動く乗りもの」を意味するようだ。

図1 グーグルカーの主な仕様と部品
(a)2014年12月に試作車両の最新版の写真を公開した。公道実験用にステアリングやアクセルペダルなどを搭載したが、最終的にはなくす方針と考えられる。最高速度は時速25マイル(約40km/h)に抑えた。(b)同年5月に公開した試作車の車内。ステアリングやアクセルペダル、ブレーキペダルはない。
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 むろん、グーグルカーを“箱”とみなすと同社の狙いを見誤る。Google社は自動運転車の開発競争で先頭を走る企業で、最短で2017年の実用化という世界で最も挑戦的なロードマップを携える(別掲記事参照)。これまで「プリウス」などの既存の車両を改造して実験していたが、2014年12月に自ら設計した試作車の最新版を発表した。2015年に公道で走行実験を始める計画である。

 グーグルカーは、自動車産業を根底から覆す破壊力を秘める。この幹部が同車を目の敵にした背景には、完成車メーカーの強い危機感がある。