ニュースの深層
目次
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プリウスが乗り越えた「3兎」追うハードル、燃費、共通化、生産で見せたカイゼン魂
「燃費だけを追求するなら、新型プリウスがガソリン1L当たり40kmを超えるのは難しくなかった」。トヨタ自動車製品企画本部ZF主査の新郷和晃氏はこう打ち明ける。
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工場の末端までスマート化、オムロンがFA事業で攻勢
リアルタイムのデータに基づいて自律的に稼働する「スマート工場」。その実現に向けて、オムロンが大きな一歩を踏み出した。2015年9月末にFA事業の経営戦略を発表した際、「2020年までに全てのFA機器に高度な通信機能を搭載し、工場のIoT(Internet of Things)対応を進める」と宣言した…
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今は存在しない物性の樹脂を創造、3Dプリンターによる複合化技術
武藤工業は2015年9月1日、熱溶解積層方式*1の3Dプリンター「Value 3D Resinoid MR-5000」(以下、MR-5000)を発売した。500×500×500mmという大きな造形エリア、高融点のエンジニアリング・プラスチックを使える造形ヘッドを搭載するといっ…
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EVの「300km時代」は前倒しで到来、電池が進化、PHEVの投入も急加速
普及価格帯の電気自動車(EV)の航続距離(1回の充電で走行できる距離)が300kmに達する時代は予想よりも早く到来しそうだ。
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悲願の国産ジェット旅客機「MRJ」、近づく初飛行、残された課題
悲願の国産ジェット旅客機がいよいよ大空を舞う─。2015年7月末、東京大学・安田講堂で開かれた国産旅客機に関するシンポジウムは、同年秋に予定されている三菱航空機(本社愛知県・豊山町)の小型旅客機「MRJ(Mitsubishi Regional Jet)」(図1)の初飛行を控えて、そんな高揚感に包まれ…
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トヨタ、PHEVを多車種で展開、TNGAの活用でドイツ勢に反撃
トヨタ自動車はプラグインハイブリッド車(PHEV)をさまざまな車種で幅広く展開する。同社は2015年中にハイブリッド車の新型「プリウス」を発売するものと見られる。その後、2016年にもPHEVの新型「プリウス PHV」を発売する見通しだ。トヨタは同車を皮切りに、複数の車種でPHEVを展開する。
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ロボットがセルで働くファナックの工場、2015年秋には組立工程の9割を自動化
2015年3月期の売上高営業利益率が40%を上回ったファナック。同社の高収益を支える1つの要素が、山梨県忍野村の本社地区などにある工場の徹底した自動化だ。1980年代から鋳物部品などの機械加工の自動化に取り組んできたが、ここ数年は、多関節ロボットの組立工程の自動化に力を入れている。ファナックの製造部…
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ホンダの軽オープンカー「S660」の工場、初期投資を抑えた少量生産ラインに挑む
ホンダが開発した軽自動車のオープンカー「S660」。生産を担うのは、八千代工業の完成車工場である四日市製作所だ(図1)。現在、同製作所ではS660を含めて軽トラックなど5種類の軽自動車を混流生産している。
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なぜ今「中国製造2025」なのか、製造大国から転落の危機感
中国国務院(政府)が2015年5月19日、製造業の10カ年計画「中国製造2025」を正式発表した。この方針は、李克強首相が2015年3月の全国人民代表大会(全人代、国会)で既に打ち出していたが、より詳細に内容を規定したもの。
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ホンダジェット、“和魂洋才”で世界に飛翔、エンジン単体の販売・サービスも本格化
ゴールデンウィーク直前の2015年4月下旬、赤と白のツートンカラーの真新しい小さなジェット機が初めて羽田空港に着陸した。ホンダが開発した小型ビジネスジェット機の「HondaJet(ホンダジェット)」だ(図1)。
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Teslaが家庭と工場でエネルギー革命、他社の半額以下の蓄電池を投入
電気自動車(EV)に加えて、蓄電池にも参入することで、エネルギーの世界を根底から変えたい──。2015年4月30日、米EVメーカーのTesla Motors社(以下、Tesla社)の最高経営責任者(CEO)Elon Musk氏は、家庭向けと産業向けにリチウムイオン2次電池を使う蓄電池を発売すると発表…
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「インダストリー4.0」にどう向き合うか、日本でも模索する動きが始まった
「Industry 4.0」(インダストリー4.0)として、工場のスマート化による“産業革命”を仕掛けるドイツ。2015年4月13~17日に同国のハノーバーで開催された産業技術の展示会「Hannover Messe 2015」では、インダストリー4.0に関連した展示が目立った(図1)。そんな中、会場…
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トヨタのTNGA対応プラットフォーム、設計開発の工数を20%以上削減
トヨタ自動車は、セグメントをまたぐ部品の共通化を踏まえた設計思想(モジュラー設計)「トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー(TNGA)」に対応した新しいプラットフォームを開発、2015年3月に公開した(図1)。Cセグメント向けプラットフォームで、2015年から実用化する。同年に発売する計画の次…
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タイで日本国内より速く生産、自動化・高付加価値化への動きが急
2015年3月、バンコク郊外のアマタナコン工業団地にある自動車部品メーカーのタイEXEDY(Thailand)社(以下EXT社)の最新工場(第4工場)を訪ねた。同社はEXEDYグループの生産関連会社として、第1工場から第4工場までの合計で、手動変速機(MT)用のクラッチ部品を年間120万台、自動変速…
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光造形方式の3Dペンが登場、ノズル先端で吐出した樹脂を即座に硬化
米futuremake社が開発した光造形方式の3Dペン「ポリエスQ1」の日本市場における出荷が早ければ2015年5月に開始される(図1)。2015年2月24日からクラウドファンディング・サイト「Makuake」において割引価格での予約受付などが始まった*1。
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繊維強化樹脂の新成形法が続々、鋼を置き換えクルマの軽量化を支援
自動車の軽量化を狙い、工作機械メーカーが今、繊維強化樹脂の新しい成形法を続々と開発している。繊維強化樹脂を使って部品の強度を高めつつ、しかも低コストあるいは簡便な方法で成形する技術だ。これにより、鋼製部品を置き換えて質量を1/3程度に抑えることができる。
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「世界の工場」として脚光浴びる米国、接合や無人搬送機の技術が進化
「世界中のメーカーにとって、米国は、中国よりも魅力的な投資先になった。安いエネルギーコストや消費拡大を背景に、工場への設備投資が大きく伸びている」。こう強調するのはドイツSiemens社の米国法人Siemens Industry社で自動車や航空機分野のFA機器を担当するVice Presidentの…
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北陸新幹線の除雪で新方式を採用、ロータリー車で高架下に雪を飛ばす
2015年3月14日、北陸新幹線がいよいよ開業する(図1)*1。同新幹線は豪雪地帯を走るため冬の雪対策が欠かせないが、他の新幹線とは少し違った除雪方法を採用している。それが、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(以下、鉄道・運輸機構)が設計・建設した「側方開床式貯雪型高架橋」と、西日本旅客鉄道(以下、JR…
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小型の光造形3Dプリンターが続々、約23万円の低価格機も登場
小型で低価格な光造形方式の3Dプリンターが相次いで登場している。XYZプリンティングジャパン(本社東京)は2015年3月上旬に約23万円の「ノーベル 1.0」を発売。ムトーエンジニアリング(本社東京)も2015年内の発売を目指して同方式の3Dプリンターを開発していることを明らかにした。
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これがホンダ2輪車のマザー工場、負荷とミスを減らす仕掛けが随所に
ホンダが世界の2輪車生産の「マザー工場」と位置づける熊本製作所(熊本県・大津町)。世界22カ国に33拠点ある2輪車の工場を生産技術で牽引する工場だ。