PR

 大成プラスが開発した、接着剤を使わずに樹脂と金属を接合する技術、および異なる樹脂同士の接合技術について解説する

* 2014年9月29日に日経ものづくりが開催した「異種材料接合・最前線」の成富氏の講演を再編集した。講演の詳細は「異種材料接合」(日経BP社、2014年12月発行)に収録した。

 同質素材同士を接合するのは楽だが、異質素材を接合するとなると品質保証が難しい。サンプル程度であれば品質保証を数値化することもできるが、量産品に対し、数値化して品質保証をすることはできない。よって、造るプロセスでどう品質保証をするかというのが重要なキーワードとなる。

異なる種類の樹脂を接合

 図1は、33年ほど前に我々が日本で初めて製作した樹脂製のフィンである。まずフィンのブレード部分を成形し、金型から取り出す。オレフィン系樹脂であるエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)と、同じくオレフィン系樹脂であるエラストマーを射出成形し、溶解した熱で界面を溶かし込むことで界面をアロイ化して接着する。

図1 異なる樹脂同士の接合(プラスチック・フィン)
オレフィン系の樹脂とエラストマーを接合して製作した。
[画像のクリックで拡大表示]

 ここでは、壊れたのか、それとも壊したのかが分かる造り方をするというのが重要だ。「壊れた」というのは、我々の造り方が悪くて利用中に壊れてしまったという場合。「壊した」というのは、定められた品質以上の状況で利用されたことによって壊れた場合だ。

 この違いは界面を観察することで見分けることができる。界面が破壊されていれば利用者側による責任であり、界面からきれいに剥がれていれば製作者側による責任である。図1のような商品では、利用者の命にも関わることになる。

 水泳用ゴーグルの例もある(図2)。ポリカーボネート(PC)とメタクリル樹脂(PMMA、アクリル)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリブチレン・テレフタレート(PBT)といった熱可塑性の樹脂に、熱可塑性エラストマー(TPE)で硬度が40度から60度ほどのものを接着できないかと考えた。25年ほど前にはそうした樹脂はなかった。

図2 異なる樹脂同士の接合(水泳用ゴーグル)
ポリカーボネート(PC)と熱可塑性エラストマーを接合。硬度の異なる材料を組み合わせた。
[画像のクリックで拡大表示]