PR

 NTTは、現在の4K映像の圧縮と伝送に用いられている動画の符号化技術「H.265/HEVC」の“次々世代”という符号化技術を開発中だ。

 同社の言う“次々世代”は、まだ実用段階にはない将来技術、という意味である。ただし、一度実用化されれば、“最後の符号化技術”になる可能性がある。理由は、人工知能の一種を用いることで符号化のアルゴリズムが勝手に進化し、自ら符号化性能を高めていくからである。

 今回、符号化技術に用いている人工知能は、「進化的(または遺伝的)プログラミング(GP)」と呼ばれる技術である(図1)。GPを用いた動画符号化技術では、生物の進化のプロセスを模倣して、次第に圧縮率を向上させる。具体的には、遺伝子の突然変異による組み換えと環境適合性の結果としての自然淘汰を、乱数による関数や論理演算のランダムな組み換えと、圧縮率の向上に置き換える。関数などのランダムな組み換えで、結果として圧縮率が向上した組みだけを残し、それを基にさらに進化を進めるというやり方である。

図1 生物の進化に似せて画像符号化アルゴリズムを進化。 進化的プログラミングの概要を示した。進化論では、生物は、遺伝子が偶然の突然変異によって組み代わり、ランダムに変化するが、環境に偶然適合した変化だけが生き残る(a)。進化的プログラミングでは、関数や論理演算の組み合わせを乱数を使って組み替え、結果として優れた性能を示す組み合わせだけを残していく、という手法である
図1 生物の進化に似せて画像符号化アルゴリズムを進化。 進化的プログラミングの概要を示した。進化論では、生物は、遺伝子が偶然の突然変異によって組み代わり、ランダムに変化するが、環境に偶然適合した変化だけが生き残る(a)。進化的プログラミングでは、関数や論理演算の組み合わせを乱数を使って組み替え、結果として優れた性能を示す組み合わせだけを残していく、という手法である。
[画像のクリックで拡大表示]