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GPUやSSDなど民生品で利用される汎用の部品をいち早く取り入れることで、構築費用を安価に抑えながら、世界最高峰のスーパーコンピューターに比肩する性能を達成してきた東京工業大学 学術国際情報センターの「TSUBAME」シリーズ。この快挙実現の背後には、今後の技術動向を見通す“読み”の鋭さがある。2020年そして、その先の2025年以降に待ち受ける「ポストムーア」時代にスーパーコンピューターに搭載される技術をTSUBAMEシリーズの開発リーダーである同大学 教授の松岡氏が解説する。(本誌)

(イラスト:Getty Images)

 東京工業大学 学術国際情報センターはスーパーコンピューター(以下、スパコン)「TSUBAME」シリーズを開発・運営してきた。現在、2022年頃の実用化を目指した「TSUBAME4.0」(仮称)に向けたアーキテクチャーや要素技術の検討に着手している。本稿では、5~10年後以降も継続的に性能を伸ばす上での課題と、その解決策になりうる技術の候補を述べる。

 TSUBAMEシリーズは、2006年に運用を開始したTSUBAME1.0から4~6年おきに全面的に作り替えている。直近では2016年前半にもTSUBAME3.0を実用化する予定だ。過去3年ほどの検討により基本構想はほぼ固まっており、既に共同開発メーカーの選定や資材調達といった具体的な作業に着手する段階にある(表1)。GPGPUなどのメニーコアプロセッサーの採用、SSDを利用した高速ストレージなど、TSUBAME2.0およびそのアップデート版である2.5の延長線上の技術を使う予定である。しかし、その先のTSUBAME4.0ではアーキテクチャーや採用技術に大幅な変更が必要になりそうだ。

表1 TSUBAME3.0で狙う性能や機能
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