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東京工業大学の「TSUBAME-KFC」の計算ノード(写真:東京工業大学)
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 2014年11月、IEEE Computer Societyは東京工業大学 学術国際情報センター 教授の松岡聡氏に「Sidney Fernbach Award」を授与した。スーパーコンピューター(スパコン)の研究分野では世界最高峰の賞と言われ、日本人の受賞は今回が初めてである。同氏が開発を主導してきたスパコン「TSUBAME」シリーズの成果をたたえた格好だ。

 TSUBAMEシリーズは、GPUなどの汎用品を活用して省電力かつ高い性能を安価に実現してきたことで有名である。2013年11月には、次世代機のプロトタイプ「TSUBAME-KFC」が、単位消費電力当たりの性能の高さを競うランキング「Green500」で世界一に輝いた。

 ところが、松岡教授の受賞と同じ2014年11月に発表されたGreen500で異変が生じた。3位に入ったTSUBAME-KFCを上回る成績の国産機が登場したのである。2位に食い込んだのは、起業家の齊藤元章氏が率いるベンチャー企業PEZY Computingらが開発した高エネルギー加速器研究機構の「Suiren(睡蓮)」。汎用品の採用にこだわるTSUBAMEシリーズに対し、独自開発のアクセラレーターや冷却システムを採用して高性能を実現した。

PEZY Computing とExaScaler が開発したスーパーコンピューター(写真:栗原克己)
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 スパコンの研究に大きな影響を与えてきた松岡氏と、1年前にはスパコンの開発すら考えていなかったと語る齊藤氏。対照的な両者に共通するのは、スパコンの裾野を広げて、来るべきIoT/ビッグデータ時代に不可欠の存在にしようという思いである。両氏に、開発の経緯や設計思想、スパコンの未来を聞いた。

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