PR

2014年11月、IEEE Computer Societyは東京工業大学 学術国際情報センター 教授の松岡聡氏に「Sidney Fernbach Award」を授与した。スーパーコンピューター(スパコン)の研究分野では世界最高峰の賞と言われ、日本人の受賞は今回が初めてである。同氏が開発を主導してきたスパコン「TSUBAME」シリーズの成果をたたえた格好だ。同氏に、開発の経緯や設計思想、スパコンの未来を聞いた。

(聞き手=今井拓司、中道 理、三宅常之)

――「Sidney Fernbach Award」の受賞につながった「TSUBAME」の根本的な設計思想は、誰もが利用できる「みんなのスパコン」と聞いています。

まつおか さとし
1993年に理学博士(東京大学)。2001年より現職。高性能並列システムソフトウエアの研究に従事。開発した日本初の「ペタコン」のTSUBAME2.0は2010年に「Top500」世界4位、および2期連続「世界一グリーンな運用スパコン」として認定された。ACM/IEEE Supercomputing を含む多くの主要な国際学会の委員長職などを歴任。(写真:加藤 康)

 そうですね。Googleのような私企業であれば、やっていることをあまり外には言わないですが、我々は大学にいて、大学は研究所でもあるので、我々がやる最先端のものは、世の中に広く普及してほしいわけです。最先端のスーパーコンピューターを開発したり、運用したり、それにつながる基礎研究もいっぱいやっていて、その結果が世の中にいち早く広まることは、税金を使う身としても重要だと思うのです。

 我々もいきなりスパコンを作ったわけではなく、非常に長い年月の基礎研究をやっています。その成果を次はある程度テストベッドや実験的な採用、応用研究にしていった上で、小さい運用スパコンに持っていった。その意味では、実は世間が思っているよりリードタイムはだいぶ長い。いきなりTSUBAMEみたいなものを、カタログから注文して作れるわけではないので。