PR

 8種類の自動車用エンジンを1つのラインで造り分け、かつ従来と比べて1基当たり30%のコスト削減を実現*1─。これが、ホンダが小型車向けエンジン(スモールエンジン)の「マザー工場」と位置づける、埼玉製作所小川工場の実力だ。

*1 ホンダが内作する部分に関しての比較。

 自動車用エンジンの混流生産は珍しい。まして、8種類を造り分ける実力を備えた工場を持つ自動車メーカーは世界でも他にないはずだ。現状でも、排気量1.3L、1.5Lのハイブリッド用、1.5Lの直噴タイプ、1.5Lの直噴かつハイブリッド用の4種類のエンジンをこの小川工場で混流生産している(図1)。生産量は1000基/日。これらのエンジンを、完成車工場である埼玉製作所寄居工場で組み立てるコンパクトカー「フィット」「ヴェゼル」「グレイス」に向けて出荷している。小川工場から寄居工場までの距離は2kmだ。

図1 ホンダの小川工場で造るエンジン
3種類のコンパクトカー向けに4種類のエンジンを生産している。能力的には8種類のエンジンを混流生産できる。
[画像のクリックで拡大表示]

 小川工場は、大きく3つの生産ラインから成る。シリンダブロックをダイカストマシンで成形する「鋳造ライン」、シリンダブロックとシリンダヘッドを工作機械で切削する「機械加工ライン」、部品を組み付けてエンジンに仕上げる「組み立てライン」である。このうち、機械加工ラインは混流生産を行う「フレキ(シブル)加工ライン」と、コスト競争力を高めた「スモール専用加工ライン」が併設されている。

 これらの生産ラインの中で他に類がなく、ホンダが世界に持つ工場の中でも小川工場にしか見られないのが、蛇行した組み立てラインである。これは、混流生産とコスト競争力向上の両方に貢献する。