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スズキとダイハツ工業が、主戦場を海外市場に移している。国内軽自動車市場は総販売台数の4割を超えて好調だが、成長には限界があるからだ。スズキはインド、ダイハツはインドネシアを軸に新興国戦略車を投入して海外で攻める。両社の戦略から海外で成長するヒントを見つけ出す。

 国内の軽自動車市場で圧倒的な存在感を持つスズキとダイハツ工業が、戦いの舞台を海外市場に移し始めた。

 スズキはインドに単独出資の新工場の建設を始め、生産能力の増強を急ぐ。一方のダイハツはインドネシアでAセグメントの戦略車「AYLA(アイラ)」を生産するとともに、トヨタ自動車に兄弟車「AGYA(アギア)」をOEM(相手先ブランドによる生産)供給している。これらは、両社の海外成長戦略の象徴となる取り組みだ(図1)。

図1 海外成長戦略の方向性
(a)スズキはインドに自前で新しい生産工場の建設を決めた。2017年半ばの稼働を予定し、年産能力は25万台だ。(b)ダイハツ工業はインドネシアでトヨタ向けのOEM(相手先ブランドによる生産)で活動領域を広げている。車両はトヨタに供給するダイハツ「AYLA」の兄弟車「AGYA」。
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 「インド市場の拡大と、インドからの輸出の拡大に対応するための新しい工場になる」。スズキ会長兼社長の鈴木修氏は2015年1月末、インド西部のグジャラート州で開催した新工場着工式で、意気込みを語った。2017年に稼働を始める計画で、年産能力は25万台だ。インドで販売する車両の25%相当の車両を新たに生み出す。

 インド市場では現在、スズキが約6割を出資するMaruti Suzuki社が車両生産と販売を担っている。スズキは全額出資の工場を設立することで、Maruti Suzuki社の株主に金銭的な負担をかけることなく、先手を打ってインド市場の地盤固めにかかる。

 インド市場ではトヨタが小型車「Etios」を投入しているが販売は伸び悩んでいる。世界最大手のトヨタでさえ苦戦するインド市場をリードし続けるためにスズキは攻め続ける。

 一方のダイハツの中核拠点はインドネシア。現地では合弁会社のAstra Daihatsu社がAYLAと、トヨタ向けのAGYAを生産する。AYLAのデザインを一部変更したのがAGYAであり、両車ともに販売台数は増えている。