日本では燃料電池といえば小規模の家庭用が中心だが、米国では大規模な燃料電池が主流になっている。その中でも最大の燃料電池が、米国ニューヨークの北東約100kmに位置するコネチカット州ブリッジポートにある。大手電力会社Dominion社が所有する、出力14.93MWと巨大な燃料電池発電所「Bridge port Fuel Cell Park」である注1)。
家庭や自動車で用いる固体高分子型燃料電池(PEFC:polymer electrolyte fuel cell)ではなく、電解質に溶融炭酸塩を適用した溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC:molten carbonate fuel cell)を使っているのが特徴だ。動作温度が600~700℃と高いため高価な触媒が必要ないうえ、天然ガスを直接燃料として用いることができる(図1)。