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図2 新方式のA-D変換技術を採用したATI 入力を2系統に分けて1系統をサブサンプリング、もう1系統を位相を遅らせてサブサンプリングして逆位相とする(A、B)。折り返し成分(HF)とLFを分離するために低域通過フィルターでLF分のみをA-D変換(ADC)処理する。2系統のA-D変換前には、サブサンプリングで離散化した信号をトラック-ホールド回路で連続信号に戻しておく。2チャネル同時に使う場合には、ATI技術(ATIブロック)を使わずに系統1と系統2でA-D変換する。(図:Tektronix社の図に本誌が加筆)
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 ATIでは2段階に信号を処理する(図2)。第1段階では、帯域幅が70GHzの信号を2系統に分け(図2のA)、双方の信号をそれぞれ75Gサンプル/秒で標本化する(B)。サンプリングの際に系統2の位相を系統1に対して180度遅らせた逆相とする。2系統に分けるのは、直流~35GHzの低周波(LF)と、35G~70GHzの高周波(HF)の信号に分離するとともに、第2段階で各々を並列にA-D変換するためである。2系統の信号のそれぞれには、37.5GHzより高い周波数の信号の大半が折り返し成分(エイリアシング信号)としてLFの信号に混入する(C)。ただし、位相を遅らせた系統に混ざる折り返し成分は、符号が逆転した逆相信号である。つまり、2系統のLFの帯域内にはいずれもHFの折り返し成分が混在しているものの、それぞれの信号はHFの符号の正負が逆転した「LF+HF」と「LF-HF」となる(D)。

 第2段階では、この特性を利用して、折り返し成分を取り除き元のLFのみを取り出したり、HF成分を反映した折り返し成分のみを抽出したりする。具体的には、2つの信号を足し合わせて半分にすることでLFを得る。また、差を取って半分にしてHFを得る。回路においては、まず2系統のそれぞれで直流~35GHzの信号を低域通過フィルターで取り出し、それぞれを100Gサンプル/秒のA-D変換器でデジタル化する(図2のE)。A-D変換した2系統のデジタルデータは、DSPによって和(2LF)または差(2HF)を取る演算処理と、LFとHFを同一グラフ上に合成する処理を施す(F)。