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 パナソニックが、シリコンカーバイド(SiC)や窒化ガリウム(GaN)といった次世代パワー半導体の一層の普及を目指し、SiC/GaNパワー素子の後工程で、他社との協業を積極的に進めている。2015年3月に2社との提携を相次いで発表した。

 SiCでは、パナソニックのSiC MOSFETを搭載した、耐圧1200Vのパワーモジュールを、三社電機製作所(以下、三社電機)と開発した。大型のパワーコンディショナーの他、産業用や鉄道用インバーター装置などに向ける。

左が新しいSiCパワーモジュール、右が従来のSi IGBTモジュール

 特徴は、耐圧1200V品として「業界最小」(パナソニック)の大きさであること。定格電流は150A、オン抵抗は6mΩで、外形寸法は横94mm×縦29.8mm×高さ14mmである(仕様はいずれも暫定仕様)。特に高さが低く、同耐圧の従来品に比べて半分程度とする。

 パワーモジュールの小型化に大きく寄与したのが、三社電機の「テクノブロック(Techno Block)」技術である。三社電機がサイリスタモジュールに適用しているものだ。今回、これをSiCパワーモジュール向けに最適化した。

 特徴は、パワー素子の上面と、モジュール端子の接続に利用するワイヤーボンディングを不要にしたこと(図1)。テクノブロック技術では、はんだを介してモジュールの端子をパワー素子の上面に接続する。これにより、ワイヤーの引き回しで必要だった高さ方向の空間が減るので、モジュールの高さを大幅に低減できた。

 ワイヤーボンディングの接続部は、モジュールの中で劣化の原因になりやすい。今回、ワイヤーボンディングを不要にしたことで信頼性、例えば温度サイクル耐性が向上する(図1(b))。

図1 ワイヤーボンディングを不要にして低背化
パナソニックと三社電機製作所は、耐圧1200V品として業界最小をうたうSiCパワーモジュールを開発した。パナソニックがSiC MOSFETを提供し、モジュール化には三社電機のモジュール技術「Techno Block」を利用した。SiC MOSFETチップ上面をはんだで端子に接続することで、ワイヤーボンディングを不要にした。これにより、モジュールの高さを半分程度にした(a)。信頼性も高く、例えば温度サイクルに対する耐久性が高い。(図:三社電機製作所の資料を基に本誌が作成)
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