これまで(2015年2~4月号)、「出る杭」とは、「全体最適」を重んじる人間=「T字型人間」であり、常識破りの変化=イノベーションを起こす人間であること、現代は「T字型人間」を育てるべき時代であることを述べた。「T字型人間」とは、精神の「知」の領域に「高い論理的思考力」、「情」の領域に「強い普遍への好感」、「意」の領域に「広い視野」を持つ人間であることも解説した。
筆者はT字型人間を育てるべく2014年秋に「出る杭研修」をスタートさせ、その中で「スクラップ&ビルド」(知識や考え方の根本的な再構築)によって徹底的に「深く」「広く」「正しく」考えさせるというアプローチを採っている。前回(2015年4月号)では、同研修の最初のセクションである「深く考える」セクションを概説した。
今回は、研修の2番目のセクションである「広く考える」セクションと、3番目のセクションである「正しく考える」セクションの概要について述べる。