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 人影のない工場内に整然と並んだ100台を超える3Dプリンター。聞こえるのは、それぞれが個別のパーツを造形している3Dプリンターの稼働音だけだ。1台の3Dプリンターが動作を停止すると、どこからともなく人が現れて造形物を取り出し、次工程へ運んでいく─*1

*1 100台を超える3Dプリンターに対して、シフト交代制で常時2人のオペレータが作業している。

 これは、未来の工場を描いた映画のワンシーンではない。米国ミネソタ州に実在する米Stratasys Direct Manufacturing(以下SDM)社の工場における日常の風景だ(図1)*2。このような工場が世界各地に広がりつつある。

*2 SDM社は、イスラエルと米国に本社を置く3DプリンターメーカーのStratasys社の100%子会社である。
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図1 SDM社のミネソタ工場
Stratasys Direct Manufacturing(SDM)社のミネソタ工場(旧RedEye)には、100台を超える3Dプリンターが設置されており、ネットワーク経由で送られてきたデータに基づいて半自動的に造形が行われる(a)。造形物の取り出しは2人のオペレータが行い、後処理を行う次工程へと運ぶ(b)。

 3Dプリンターによる造形サービスは、日本においてもここ数年で珍しくなくなってきている。しかし、ここまで大規模かつ組織的に3Dプリンターを活用している工場は存在しない。今回は、このような工場の存在がものづくりをどう変えていくのかについて紹介したいと思う。