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 東京大学とデンソーが、完全自動運転車への応用を目指した新原理のセンサー技術の開発に乗り出した。(1)慣性航法によってGPS(Global Positioning System)がなくても車両位置の特定を可能とする高精度センサー、(2)周囲の認識精度を格段に高める多波長の画像センサー、(3)多波長の画像情報に基づく画像処理手法からなる。

 東京大学大学院教授の下山勲氏(情報理工学系研究科)の研究グループとデンソー、一般財団法人のマイクロマシンセンターが、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の平成26年度「エネルギー・環境新技術先導プログラム」の1つとして提案し2015年3月に採択されたもの。4月22日に開催の「第21回 国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウム『更なる成長へ、スマートモニタリングの進展を飛躍的に強化する新技術』」(パシフィコ横浜)で下山氏が明らかにした(図1)。

図1 東京大学大学院教授の下山氏による講演の様子
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 3つのセンサー技術のうち(1)は、飛行機に搭載している慣性航法装置を乗用車に搭載可能な価格で実現することを目指している。従来にはなかった検出原理に基づく。現在のところ、自動車はGPSからの複数の電波を受信し、三角測量の原理で位置を特定している。GPSでは、電波を受信できないトンネル内や建物内の駐車場では位置の特定ができない。このため電波を受けられないエリアでは、4輪のタイヤの回転数などから位置を推定しているが、誤差が大きく、将来の自動運転の実現には不十分だという。