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 「1個でも部品がないとクルマは造れない」。本誌2015年5月号の解説「東北に自動車産業は根付くか」の中で、日産自動車の購買担当者は訴えた。自動車メーカーは部品の安定供給を実現すべく、様々な対策を講じた(詳細は5月号の記事参照)。では、部品を供給する側のサプライヤーは、自動車メーカーの要求にどう応えるのか。

 ルネサスショックがようやく収束に向かっている。東日本大震災で最も自動車生産に影響を与えたサプライヤー、ルネサス エレクトロニクス。同社は震災で、自動車用マイコンの生産を一手に担っていた那珂工場が壊滅的な被害を受けた。同工場での生産再開には3カ月を要した。その間在庫で対応したが供給能力が半分程度に落ち込み、自動車メーカーは生産に支障が出た。被災前の生産水準に達するまで6カ月を要した(図1)。

図1 “供給途絶ゼロ”を目指して
震災で自動車用マイコンを供給できなくなったルネサス エレクトロニクスは、新しいBCPを策定した。
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 「従来のBCP(事業継続計画)では何が足りなかったのかを身をもって知った。震災後は、サプライチェーン全体のリスク低減を図る新しいBCPを制定した」。ルネサス社長兼COO(最高執行責任者)の鶴丸哲哉氏は震災から4年が経った2015年3月にこう述べている。同社は、「供給途絶ゼロ」という目標を掲げて“強い”部品供給体制の構築を進めてきた。