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 無線で電力を伝送するワイヤレス給電。既にスマートフォンなどでは製品化済みだが、自動車でもいよいよ実用フェーズに突入する。早ければ2015年内にも製品化に向けた環境が整うためだ。本誌主催のセミナー「ワイヤレス給電シンポジウム2015」では、動向に詳しい関係者7人が登壇した。

 「ワイヤレス給電システムは、電動車両の利便性を飛躍的に改善する。電動車両の未来を開く技術だ」─。自動車技術会でワイヤレス給電システム技術部門委員会の幹事を務める横井行雄氏はこう宣言した。経済産業省の鈴木理大氏(製造産業局自動車課(併)電池・次世代技術・ITS推進室課長補佐)も、ワイヤレス給電技術に期待を寄せた(図1)。経産省は、電動車両の普及には充電設備の拡充が欠かせないとの考えを持つ。その中で、「ワイヤレス給電システムが実用化されれば、補助金の対象になるだろう」(鈴木氏)との見通しを示した。

図1 経済産業省の担当者も登壇
多くの自動車関係者が集まった。写真は、経済産業省製造産業局自動車課の鈴木理大氏の講演の様子。
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 横井氏によれば、ワイヤレス給電システムは「技術的には既に商用化できる水準にある」という。課題は自動車向け国際標準の策定や安全性の確保などだ。