新日鉄住金と同社の子会社である日鉄住金ステンレス鋼管は、水素ステーションの配管や継手、バルブなどに使えるステンレス鋼の販売を強化する。従来材に比べて約2倍の強度があるため、配管などの薄肉化による軽量化やコスト削減が可能になる(図1)。
燃料電池車(FCV)などに水素を供給する「水素ステーション」では、配管や継手などに水素ぜい化に強い材料を使う必要がある。水素ぜい化とは、鋼材に水素が吸収されてもろくなる現象のこと。水素の充填圧力が70MPaと高いため、材料には高強度も求められる。さらに、配管同士はネジで結合するのが一般的であり、水素ステーション1基で数百個の継手が必要になる。継手から水素が漏れる恐れもある。そのため、溶接できる材料が求められていた。