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 環境データをクラウドで監視したり、遠隔で作業指示を出したりする新しいタイプの植物工場が登場しそうだ。いちごカンパニー(新潟県胎内市)が、2015年夏にシステム販売を開始する予定のイチゴ栽培用の完全人工光型植物工場がそれだ*1

*1 いちごカンパニーは、建設業を営む小野組(本社新潟県胎内市)らが、廃校設備の活用と地元産業の振興を狙って設立した。

 同社の植物工場システムは、単価が高い高級イチゴを無農薬で通年栽培することが可能なため、小規模な植物工場でも採算性を確保しやすい。環境条件〔光量と温湿度、二酸化炭素(CO2)濃度〕を適切に制御することで、13~17度という高い糖度を持つイチゴを安定生産できるという*2。栽培棚や環境制御装置といった設備だけでなく、苗や栽培ノウハウも提供。同社が顧客の植物工場の環境データを監視し、作業指示を出す。

*2 一般的ないちごの糖度は10~11度。

 システム販売の前段階として同社は2014年12月、開発した植物工場システムで生産したイチゴを「とろける香りいちご」という商品名で販売開始した(図1)。高い糖度、化学合成農薬の不使用、時期や個体の違いに左右されない品質の均一性といったことをアピールし、標準品(25~30g)で1個500円、40g級の大型サイズで1個800円という価格を設定している。ただし、イチゴ販売は植物工場による高級イチゴ栽培の事業化を実証成果物としてアピールするという側面が強い。同社の事業の中核は、イチゴの植物工場システムと苗やサービスの提供だ。

図1 いちごカンパニーが販売するイチゴ
標準品で1個当たり500円。日常的な食品というよりも嗜好品として贈答品などでの利用を想定している。
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