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 「モデルベース開発」の手法をエネルギー・システムの開発に適用するために、モデルベース開発の基礎から自動車分野での適用例をはじめ、エネルギー・システムでの導入例を紹介する本連載。前回は制御ソフトウエアとなる「コントローラ・モデル」について実装を意識することの重要性を述べた。今回はモデルベース開発という視点から必要な数値計算技術について、基本的な手法と計算する際に考慮しなければならないステップ幅などについて解説する。(本誌)

 今回は、モデルベース開発の基礎、すなわち微分方程式の数値解法を紹介してみたい。モデルベース開発とは、数学モデルを用い、現物の代わりに数学モデルによるシミュレーションを活用して、制御ソフトウエアを開発することである。本連載の第2~3回では制御対象を数式化する手法について紹介してきたが、せっかく数式化しても実際に計算できなければシミュレーションは成立しない。電子計算機であるコンピュータにとって数値計算技術は、まさに主要アプリケーションである。その理論はかなり奥深いものであるものの、モデルベース開発という視点から必要な数値計算技術を概観してみよう。

 微分方程式をコンピュータによって計算するための基本は、離散時間において数値積分を実施することである。数値積分の手法は以下の3種類が基本となる(図1)。

図1 基本となる数値積分の手法
図1 基本となる数値積分の手法
数値積分の手法は前進Euler法(a)と後退Euler法(b)、台形法(c)の三つが基本となる。
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