右肩上がりの成長を続けるドイツVolkswagen(VW)社。2015年には世界販売台数でトヨタ自動車を抜き去り、2020年以降大きく水をあける可能性が出てきた。今後の成長を支え、世界一の座を盤石なものにすべく、VW社は三つの戦略を推進する。独走態勢を築くための取り組みを追った。
特集
VW、止まらない成長
目次
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独走支える三つの武器
世界販売台数1000万台の目標を4年前倒しで達成したドイツVolkswagen(VW)社。2015年はトヨタ自動車を抜くとの見方が強まっている。だが、VW社とトヨタの首位攻防戦で見るべきは数年先を見据えた戦略だ。VW社はモジュール化と電動車両、中国市場をキーワードに独走を狙う。日経Automotive
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重い投資負担を成長エンジンに変える
2012年、VW社が鳴り物入りで実用化を始めたMQB。グループ内の4ブランドをまたいで多種多様な車両を生産する取り組みである。その効果が表れるのは2017年以降で、VW社の強力な成長エンジンになりそうだ。ただし、インドを中心とした新興市場に欠かせない低価格な小型車開発では苦戦を強いられている。日経Automotive
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全車種展開で規制クリアへ
今後数年以内に、40車種もの電動車両を投入するVW社。その中核を担うのがプラグインハイブリッド車(PHEV)だ。MQBを適用して一気に幅広い車種を展開し、厳しい環境規制に対応する。一方の電気自動車(EV)は、電池開発を進めつつ500km走行できる車種を投入する。日経Automotive
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中国は専用モデルで首位堅持
VW社の世界販売において36%を占める中国市場。世界最大市場での優位な地位を確かなものにすべく、2019年までに3兆円を投じる。生産能力の増強に加えて、中国専用モデルの拡充を図る戦略である。一方、苦戦の続く北米市場では、2016年に投入する中型SUVが成長のカギを握る。日経Automotive