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標準化競争に負けない

 同氏が強調したのは、米国の有力企業が進めるIoTに、ドイツが対抗する手段がインダストリー4.0であるということ(図2)。日本メーカーが採るべき道については「自働化や日本国内での標準化にとらわれず、データの活用で実現できる自動化や世界規格の標準化の取り込みを考えるべき」とした。

図2 インダストリー4.0の位置付け
ジェネックスパートナーズ会長の眞木和俊氏は、「Google社やAmazon社などの米国の有力企業がIoTで仕掛けた主導権争いに対して、ドイツが打ち出した国内産業を振興する対抗手段がインダストリー4.0」と見る。(出典:ジェネックスパートナーズ)
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 アーサー・D・リトル・ジャパンのパートナーの鈴木裕人氏は、同グループが独自に実施した今後20年における世界主要地域のパワートレーン予測について報告した。この内容は、日経Automotive4月号の解説「2035年のパワートレーン予測」で紹介している。

 野村総合研究所のグローバル製造業コンサルティング部エレクトロニクス産業グループ、グループマネージャーの晝間敏慎氏は、自動運転機能の開発によって、自動車メーカーと部品メーカーの役割分担が変わりつつあるとした。スマートフォンと車載情報システムの連携や、自動運転や安全運転支援システムの登場で、従来の自動車メーカーが不得意だったエレクトロニクスおよびソフトウエアの価値が急速に高まっている。

 最近は、エレクトロニクスが得意な2次部品メーカーが、自動車メーカーと手を握るケースが増えており、従来からシステム化を手がけて付加価値拡大を目指す1次部品メーカーとの競争が激化している(図3)。

図3 完成車メーカーと部品メーカーの関係が変わる
野村総合研究所グローバル製造業コンサルティング部エレクトロニクス産業グループのグループマネージャーの晝間敏慎氏は「完成車メーカーとTier2部品メーカーが連携して開発する例が出ている」と述べる。(出典:野村総合研究所)
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 最後に登壇したGFリサーチ代表の泉田良輔氏は、米Google社が自動車産業で何を狙っているかについて分析した。同氏は、安全技術や自動運転技術の進展で、クルマ業界の競争領域が変わっていくとする。現在のクルマは、公共的なスペースで、運転者が主体となって運転するもので、燃費などの環境性能が重視される(図4)。

図4 自動車の競争領域が変化
GFリサーチ代表の泉田良輔氏は、「次世代自動車では、運転者主体の運転から自動運転への変化が起きる。さらに次々世代自動車では、クルマの使われる場所が公共スペースから管理スペースへ変わるだろう」とする。(出典:GFリサーチ)
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 一方、将来は公共スペースの中での自動運転へと向かい、いかにクルマを安全に動作させるかが重要とみる。さらに、その次世代では交通インフラと車両をセットで考える必要があり、交通が管理されたスペースで走れるような技術をGoogle社は開発していると述べた。

 最近のGoogle社は都市のデザインにも興味があるといい、資金力の点からもそうした分野に進出できるのは、トヨタ自動車、米GE社、Google社くらいであるとした。