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 一方の2.0L直噴ターボエンジンは、1.2Lと燃焼改良や損失低減の基本的な設計思想は共通とした(図13)。シングルではなくツイン・スクロール・ターボとすることで応答性を高めながら3.5Lの自然吸気エンジンと同等のトルク性能を持たせた(図14)。1500rpmあたりの低回転域から高いトルクを出せるようにした。

図13 2.0L直噴ターボガソリンエンジン「8AR-FTS」
最高熱効率36%。内製のツイン・スクロール・ターボを搭載し、3.5L自然吸気エンジン並みのトルクを確保した。1.2Lターボ同様、排気マニホールドをシリンダーヘッドに一体化させて筒内ガスの温度を低くした。
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図14 走りの性能を重視してツインターボを搭載(2.0L直噴ターボエンジン)
ターボのタービン内周と外周それぞれに排ガスを当てることで、低回転域からレスポンス良くトルクが立ち上がるようにした。
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 排気マニホールドは4-2-1で、第1気筒と第4気筒、第2気筒と第3気筒の配管を合流させる。タービンハウジング内部にもこの配管を引き継ぐように二つのスクロール(流路)を構成しており、各気筒から出た排ガスの干渉を防ぐことで、低回転域の応答性を高めた。

 トヨタは今後、レクサスNXと同等の車格のクルマにも2.0L直噴ターボエンジンを搭載していく方針だ(図15)。

図15 新型「レクサスNX 200t」
2.0L直噴ターボエンジンを搭載し、2014年7月に発売した。燃費は12.8km/L。
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 これらのターボエンジンは従来多かったポート噴射のインジェクターではなく、直噴のインジェクターと組み合わせて適用していく。

 ターボで排気量を小さくして燃費を向上させるとともに、ターボが効きにくい低回転域ではアトキンソンサイクルで運転する可変バルブタイミング機構を盛り込み、燃費を高めている。出力やトルクについては直噴で補う。

 直噴ガソリンターボエンジン2機種の最高熱効率は36%。排気量1.3Lと1.5Lの自然吸気エンジンの38%と比べて低水準にとどまっている。これは現状の直噴ターボエンジンでは圧縮比を高く設定しにくいためだ。直噴ターボは、過給しているため燃焼圧が高くなりやすい。このためノッキング抑制のため圧縮比を低く設定せざるをえない。結果、最高熱効率も低くなっている。ただ次世代エンジンに向けては、直噴ターボでも同効率を40%以上に高める方針だ。