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 韓国政府は2015年末までに新しい水素戦略ロードマップを発表する計画だ。そこで水素利用の研究を進めている光州市の創造経済革新センターを取材した(図1)。同市は韓国Kia Motors社の工場がある自動車産業の街だが、一方で先端産業の集積した都市としての発展も目指している。その柱の一つが、FCV(燃料電池車)の研究開発だ。

図1 Hyundai Kiaグループの自動車関連部品の展示
光州市の創造経済革新センター入り口で展示。
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 ソウル金浦空港から南へ約40分のフライト(図2)。光州市は人口149万人の大都市だが、日本人にはあまり知られていない。進出している日系企業も少なく、大手ではアルプス電気の子会社、韓国アルプスが本社と製造拠点を置いている程度だ。

図2  副生水素の利活用拠点と光州市
(a)製鉄所や化学関連工場で生成する副生水素が利活用できるのは、蔚山、麗水、大山の3カ所。(b)光州市は麗水市から圧縮水素での輸送を検討中。光州市街中心地にはKia Motors社の製造拠点があるため、走行する車は同社製が多い。
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 光州市役所の人の案内で市内を見て回ると、2004年に市役所が移転した新開発地域には、近代的なデザインの大型オフィスや高層マンションが目立つ[図2(b)]。その近く、片側8車線の道路の両側にKia Motors社の組立工場がある。小型車の「Soul」、SUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)の「Sportage」、商用小型トラックの「Bongo」、大型観光バスなどを生産している。従業員数は約6000人で、生産能力は年産62万台(2013年実績)だ。これは韓国Hyundai Motor社の生産拠点がある蔚山(ウルサン)に次いで第二の生産規模という。当然、同HyundaiMobis社、同Kumho Tires社など韓国系自動車部品メーカーの工場もあり、金型産業などの中小企業によるサプライチェーンが構築されている。