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エネルギー・ハーベスティングを基礎から学ぶ本連載。これまでは技術の基礎知識だったが、今回からはエネルギー・ハーベスティングを用いた電源設計について具体的に解説していく。今回は、電源設計の前提となる、発電必要量の見積もりを取り上げる。(本誌)

 エネルギー・ハーベスティング(環境発電)機器の設計で考慮すべき項目には「発電必要量」、すなわち消費電力の見積もりがある。どのぐらい発電すれば足りるのかが分からないことには発電デバイスの設計に入りようがない。

 そもそもエネルギー・ハーベスティングを選択すべきか否かを考える必要がある。配線をしたらどうか、電池だったらどうか、ワイヤレス給電で駄目なのかといった、競合技術を検討する。しかも、エネルギー・ハーベスティングは環境中にエネルギーがなければ発電できない技術なので、発電量が安定しない。それを許容できるか。これらが、第1関門になる。

 その上でエネルギー・ハーベスティングの利用を検討することになったら、その特性を理解する必要がある。第1に、エネルギー・ハーベスティングと個々の用途は一般に、マッチングをうまく取ることが難しい。現在、商用電源や電池で動いている電子機器は常に、100%安定した電源があることを前提としている。安定した電源を利用するサービスやシステムが構築されているため、確実で安心できる電源が欲しいというニーズがある。これに対してエネルギー・ハーベスティングは、エネルギー源がなければ発電できないため、安定した電力供給を保証することは難しい。従って、この折り合いをどうつけるかが課題である。

 第2に、エネルギー・ハーベスティングが成立する仕組みを構築しなくてはならない。例えば、壁に付いたスイッチを押す力で発電して無線で信号を飛ばすような無線スイッチは、押した瞬間だけ発電できればよく、その他は動かなくていい。つまり、使いたいときには人間がスイッチを押すのでエネルギーが作られるという条件が必ず整うようになっている。