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48Vハイブリッドシステムは、高電圧を使うフル・ハイブリッド・システムよりも車両への搭載が容易でコストを抑えられる。欧州などで実用化に向けた取り組みが先行する48Vシステムの仕組みや特徴、普及の課題などについて、ドイツSchaefflerグループが解説する。(本誌)

 世界的に厳しくなる燃費規制(CO2排出量規制)を見据えて、自動車メーカーはパワートレーンの電動化を加速させている。規制が最も厳しい欧州では電動化の一つの手段として、直流(DC)48Vを定格電圧とする規格が提唱され、自動車・部品メーカーは、高電圧のフル・ハイブリッド・システムよりも安価にCO2排出量規制をクリアできる方法として、48Vハイブリッドシステムの技術開発に取り組んでいる。2016年には同システムを搭載した車両が、欧州で実用化される予定である。

 定格電圧を48Vにすると、既存の12Vシステムに比べて出力を高くでき、使用する電流を下げられるため、一部のシステムでは効率を高められる。12Vシステムでは実現できない回生エネルギーの有効利用も可能になる。また、高電圧システムに比べて電装部品を小型化、簡素化できる。

 さらに、48Vシステムでは瞬間電圧を高電圧に分類される60V以下に抑えることで、高電圧システムで要求される高度な安全機能を実装する必要がなくなる。そのため、システム全体のコストを高電圧システムよりも安価にできる。こうした特徴がある48Vシステムは、低コストで高効率な電動化を実現する手段として、欧州を中心に採用の拡大が期待されている(図1)。

図1 48Vシステムのメリット
高電圧のフル・ハイブリッド・システムに比べて搭載コストが安く、12Vシステムに比べて高度な制御ができる。
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 このほかにも、アクチュエーターなどの機能強化によるNVH(騒音・振動・ハーシュネス)の改善や車両の運動性能向上に加え、低速での電動走行を実現できる。ドイツSchaefflerグループでは、48Vシステムで使う部品だけでなく、同システムの可能性を最大限に引き出せるような技術の開発を進めている。