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【動向】トヨタの豊田章一郎氏が語る、自動車産業が持続する条件

 「私が半世紀以上にわたって関わってきた自動車産業が持続可能な成長を果たすために、大切だと思っていることは3つある」─。2015年6月5日、トヨタ自動車名誉会長の豊田章一郎氏は、日本科学技術連盟が主催した「第100回記念 品質管理シンポジウム」で語った(特集1「甦れ、日本の品質」参照)。その3つとは、[1]イノベーションの推進、[2]品質の向上、[3]人づくり、である。

 [1]のイノベーションの推進では、1970年に米国で制定された排出ガス規制法(通称:マスキー法)への対応を事例として挙げた。これを乗り越えるための技術開発が、トヨタ自動車にとって「飛躍の契機となった」(同氏)。

 [2]の品質の向上については、品質を工程で造り込むことの重要性を豊田氏は語った。品質とコストの両立はものづくりにとって「永遠の課題」(同氏)。これらを両立させるために、トヨタ自動車ではTQC(総合的品質管理)・TQM(総合的品質管理)と、トヨタ生産方式(TPS)を“両輪”に取り組みを進めている。ただし、その要は「品質を工程で造り込むこと」(同氏)。同社はこれを「自工程完結」と名付けて展開している。

 [3]の人づくりでは、「ものをつくるにはまず、人をつくることが大切だ」と同氏は語った。トヨタ自動車は創業以来、「ものづくりは人づくり」という考えを維持してきた。その上で、同社ではOJT(職場内訓練)を基に、多くの経験を通じて長い時間をかけて優れた技術や技能を培っていくと語った。