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 新日鉄住金は、成形性に優れる1.2GPa級の高張力鋼板を米国で生産することを決めた。冷間プレスで、自動車のボディー骨格部品に加工できる。米国の自動車メーカーや、北米に生産拠点を持つ日本メーカーなどへの供給を2017年に開始する。日本の鉄鋼メーカーが同鋼板を海外で生産するのは、今回が初めてである。

 高成形性の1.2GPa級高張力鋼板を生産するのは、新日鉄住金とルクセンブルグArcelor Mittal社が折半出資する「AM/NS Calvert社」である。アラバマ州にある同社はドイツThyssenKrupp社の米国における生産拠点だったが、2014年2月に新日鉄住金とArcelorMittal社が15.5億ドル(当時の為替レートで約1500億円)で買収した(図1)。

図1 自動車用鋼板の生産体制
高成形性1.2GPa級の生産に乗り出すのは、米国アラバマ州のAM/NS Calvert社。自動車用鋼板の年産能力は約200万tである。
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 AM/NS Calvert社が生産する高張力鋼板は、1180MPa以上の引っ張り強さと14%以上の伸びを併せ持つ。伸びについては、引っ張り強さが2ランク下の780MPa級と同等である。冷間プレスでの加工性が良く、高強度が要求されるボディー骨格のフロントピラーやセンターピラー、クロスメンバーなどに使える。既に同材料の日本生産品は、日産自動車が2013年に北米で発売した「Infiniti Q50」(日本名:スカイライン)に採用されている。新日鉄住金によると、日産の他の車種や他社の一部の車種にも採用実績がある。