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中国でクルマの電子化が加速中だ(図1)。大手IT企業3社のBaidu、Alibaba、Tencentは自動車ビジネスへの参入を目指す。中でもBaiduは車載情報機器とモバイル端末を連携する「CarLife」を中心に様々な事業展開を計画中だ。クルマの通信販売に挑むAlibabaや、地図情報で新サービスの展開を目指すTencentの動きも追ってみた。

図1 北京の天安門広場前
通過する乗用車はSUVが目立つようになった。車載器のナビゲーションも高級車を中心に浸透してきた。
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 検索サイトのBaidu(百度)社、ネット通販のAlibaba(阿里巴巴)社、そしてSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)のTencent(騰訊)社。頭文字を取って「BAT」と呼ばれる中国の3大IT企業だ。それぞれの分野で中国最大手のこの3社、2014年頃から自動車関連の事業に次々と参入を表明している。

 例えば、Baidu社はAI(人工知能)とディープラーニング(深層学習)に巨額投資しており、それを利用した自動運転車をドイツBMW社と共同で開発している。Alibaba社は中国最大の通販サイト「天猫Tmall」で、ネットで新車を販売するシステムを強化中だ。また、上海通用(上海GM)やBMW社、英Jaguar Land Roverグループの現地法人と、新車販売時のアフターケア契約に関して連携すると発表した。さらにデジタル地図情報の大手、中国AutoNav(i高徳)社を買収している。

 一方、Tencent社は、AutoNavi社のライバルである中国NavInfo(四維図新)社に出資して11.28%(2014年時点)の株式を保有した。中国政府に次ぐ第2位の株主となって経営に対する発言力を強めている。自動車メーカーに対しては、車載情報機器向けアプリとして自社のインスタント・メッセージ・サービス「QQ」を推奨している。

初の「CES Asia」で注目集める

 こうした各社の動きは5月末に上海で開催された「International CES Asia 2015」でも確認できた。毎年1月に米国で開催されるCES(Consumer Electronics Show)の中国版として、今年初めて開催されたのだが、その規模はまだ本家の5分の1程度と小さく、中国の大手携帯電話会社もほとんど出展しなかった。その分、多かったのが自動車メーカーだ。一汽奥迪(一汽Audi)、一汽大衆(一汽Volkswagen)、上海GM、長安Ford汽車そして北京奔馳汽車(北京Benz)らが、自動運転や中国専用の通信サービス、さらには米Apple社の「Apple Watch」と車載情報機器との連携などを展示した。

 スマートフォンと車載情報機器を連携するプラットフォームでは、Baidu社の「CarLife」の展示が目立った。米Apple社の「CarPlay」や米Google社の「Android Auto」と同じ位置付けのシステムだが、中国市場向けに開発されたところが違う。「Baidu Map」という中国で一番人気の地図データが利用でき、さまざまなローカル情報が充実している。一汽Audiや上海GMがCarLife搭載の車載情報機器を展示した(図2)。Baidu社はまた、中国Huawei社とLTEによるデータ通信事業で協業するとした。

図2 Baidu CarLifeが話題の中心だったCES Asia 2015
(a)はAudi 社によるBaidu CarLifeのデモンストレーション。(b)はGM社の「Cadillac SRX」の車載情報機器で表示されるBaidu Car Life。
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