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不揮発性の新型メモリーはそれぞれ普及に向けた壁を乗り越えなければならない。開発メーカーが急増するSTT-MRAMは、DRAM代替を進めるには大容量化という最後の関門がある。ReRAMの最大の課題は市場の立ち上げ。NANDフラッシュメモリーとの直接対決を避ける戦略が成功のカギを握りそうだ。

 STT-MRAMやReRAMといった新型不揮発性メモリーは、各種のコンピューターシステムを大きく変える潜在力を備えている。そのインパクトは大きく2つ。(1)電源を入れた瞬間に起動し、いつでも電源をオフにできる、(2)消費電力が大きく減るの2点である。

 既にSSDには不揮発性のNANDフラッシュメモリーが用いられているが、ストレージだけが不揮発でも(1)の効果は薄く、(2)もHDDとの差を示せなかった注1、2)。新しい不揮発性メモリーは(1)と(2)を機器の大きな売り物にできる注3)

注1)SSDを使うと起動は速くなるが、主記憶であるDRAMにストレージのデータを読み込ませる時間があるため、瞬時とまではいかない。電源オフ時も主記憶のデータを退避する時間が必要である。
注2)SSDの消費電力は、例えば同じ容量3TバイトのHDDと比較して、動作時(書き込み時や読み出し時)は約6Wでほぼ同水準。アイドル時でも3~4Wでやはり同水準である。メモリー以外の周辺回路の消費電力に大差がないからである。
注3)ディスプレーを別にすれば、コンピューターシステムの平均消費電力は一般的にマイクロプロセッサーが最も大きく、次にDRAM、ストレージの順となる。

 新しい不揮発性メモリーの多くは既に製品化されているが、市場に浸透するには時間がかかりそうだ。当初は製造コストが高くならざるを得ないからだ。