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低価格3Dプリンター向けに設計

 イクシーが開発する筋電義手は日々進化している。実は、「handiii」から「HACKberry」へと名称を変更した最新モデルでは3Dプリンターによる一括造形ではなく、造形後に組み立てる個別造形を採用する。個人向けの低価格3Dプリンターでの造形を前提としたためだ*3

*3 低価格3Dプリンターの多くは、熱可塑性樹脂をヒーター内蔵の可動ヘッドから吐出する熱溶解積層法を採用する。

 その背景には、筋電義手をオープンソース化することで普及を加速させたいという同社の思惑がある(特集1 Part2 活用編3)。ここで、より多くの人が造形するためには、一般に普及している低価格3Dプリンターで造形できる必要があった。

 部品の個別造形に加えて、各部品の設計も見直している。例えば、積層方向にせり出していく、直下の層が存在しないようなアンダーカットは極力なくした。後工程での除去が必要なサポート部を不要としたいからだ。やむを得ずアンダーカットが生じる場合には、サポート部を取り除きやすくするように配慮した*4

*4 この他、個々の部品のサイズが大きくなりすぎないようにしたり、肉厚を積層厚さの6倍以上にしたりといったことを指針に設計している。

 handiiiの開発は、「気軽な選択肢」をコンセプトとして始まった。低価格化による購入のしやすさに加えて、「手の模倣」を大きく超える付加価値を実現しようとしている。さまざまな色や形状の義手という意味だけでなく、例えば、指先の部品にICを組み込んで買い物や交通機関の支払いができるようにすることも想定する。その実現には、3Dプリンターの活用とオープンソース化が大きく貢献するだろう。