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若林一民 氏
エーピーエスリサーチ 代表

接着剤の重要性が高まっている。軽量化や法規制対応などのカギを握っているからだ。ところが、接着剤を「副資材」と見なし、トラブルになるケースが一向に減らない。今、接着剤を学ぶ必要性について、「異種材料の接着と、接着設計&接着評価の考え方」〔2015年8月7日(金)〕の講座を持つ、エーピーエスリサーチの若林一民氏に聞いた。

――日本メーカーの技術者の間で接着剤の技術を学ぶ意欲が増しています。「技術者塾」でも、若林先生が講師を務める接着剤のシリーズ講座は人気です。日本メーカーの中で今、接着剤に関して何が起きているのでしょうか。

若林氏:1つは、自動車分野を中心に進む「軽量化」への対応です。キーワードは「異種材料接着」。これまで鋼やアルミニウム合金など金属で造ってきたクルマのボディー(構造用部品)を、より軽い樹脂に置き換える動きが加速しているのです。

 特に目立つのが、炭素繊維強化樹脂(CFRP)の実用化。欧州の自動車メーカーがボディーの一部にCFRPを採用したクルマを開発し、既に市場に投入しています。金属同士ではないので、当然、CFRPと金属を接合するために溶接を使うことはできない。従って、接着剤に頼ることになります。

 接着剤を使う利点は、接合面の耐久性を高められること。金属同士のスポット溶接では、各溶接点で応力集中が起きる可能性がありますが、CFRPと金属の接着では面で接着させるため、応力分散が可能です。

 クルマにおけるCFRPの実用化において、日本メーカーは欧州メーカーよりも遅れています。実用化する上では、当然、CFRPそのものだけではなく、接着剤の技術開発や使いこなすノウハウも蓄積する必要があります。そのため、異種材料接着の技術について習得を急ぐ日本の技術者が増えているのです。