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エレクトロニクス産業の成長ドライバーとして、「IoT(Internet of things)」や「M2M(machine to machine)」が注目を集めている。IoT/M2Mの最大のポイントは、様々なモノがネットワークにつながることだ。それを実現するには、技術の標準化や仲間作りの業界アライアンスが重要な役割を果たす。このため、世界中でIoT/M2Mに関連する多くの技術標準化が検討されたり、業界アライアンスが結成されている。木下氏が、乱立・乱戦気味の技術標準化や群雄割拠する業界アライアンスの動向を解説する。(本誌)

(写真:Getty Images)

 「IoT(Internet of things)」や「M2M(machine to machine)」は、あらゆる産業分野に広がりつつある。このため、関連する技術標準化も通信・Internetの分野や、電気・産業機器の分野、スマートデバイス・家電機器の分野など非常に幅広い。これまでに審議・検討されてきたIoT/M2M関連の標準化は100種類近くもある。

 一般に、IoT/M2Mのシステムは業界や分野にかかわらず図1のように構成される。現場でデータを取得する「センサーデバイス(通信ノード)層」、センサーデバイスからゲートウエーにデータを集める「狭域ネットワーク層」、狭域ネットワーク層からクラウドにデータを集める「広域ネットワーク層」、クラウドにデータを蓄積・検索するための「プラットフォーム(ハードウエア・ソフトウエア)層」、集めたデータを分析したり業務につなげる「アプリケーション層」と大きく5階層に大別できる。各種分野の技術標準化も基本的にはこの5階層の各層の基本方式や、各層間のインターフェースを規定する技術仕様であり、その目的も明確である。標準化に携わっている担当者の間では、この5階層のことを一般的に「水平(horizontal)系技術標準」と呼んでいる。

図1 IoT/M2Mのシステムは5階層で構成
IoT/M2Mのシステムは業界や分野を問わず、大きく5階層で構成される。各種分野の技術標準化では、各層の基本方式や各層間のインターフェースを規定する。
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 一方、「Industry 4.0」や「IIC(Industrial Internet Consortium)」など、新聞や雑誌、テレビを賑わせて欧米対立の様相も呈しているのが、IoT/M2Mの業界アライアンスやコンソーシアムである。これらの団体は、多くの技術分野や業界が力を合わせて、エコシステム(協業)を形成するのが主な目的だ。顧客に対してIoTによる価値を提供するには、図1に示した5階層の要素すべてを揃えてソリューションとして成り立たせる必要がある。また、世界で700億個ものセンサーデバイスが普及し、200兆円規模ともいわれる巨大市場で勝者になるにはチームを形成するしかない。すべての層を1社で提供するのは極めて困難だからだ。したがって、標準化の担当者の間では図1の縦方向の仲間作りのことを一般的に「垂直(vertical)系業界アライアンス」と呼んでいる。