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壁一面のディスプレー、机の上に広がるディスプレー、360度の視界をすべて映像で覆う没入ディスプレー、あたかも視聴者と同じ空間で試合が行われているように見える空中ディスプレー。このような新しいディスプレー技術を2020年までに普及させるための開発が活発化している。従来のパネルの延長線上にない技術で、新しい視覚体験を実現する。

 2020年に向けて、ディスプレー技術は非連続の進化を見せる。これまでのディスプレー技術開発は、パネルの性能改善が中心だった。これから本格化するのは、パネルでは難しかった新しい視覚体験を実現するための技術開発である。その代表例が、壁一面のディスプレー、机や床の上に広がるディスプレー、360度の視界をすべて映像で覆う没入ディスプレー、そして視聴者と同じ空間で試合が行われているように見える空中ディスプレーである(図1)。

図1 従来の延長線上にない技術で、臨場感を飛躍的に高める
パネルの性能向上を続けるだけでなく、プロジェクター、空中ディスプレー、没入ディスプレーなどの新技術を導入することで、これまでにない高臨場感を実現していく。
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 これらのディスプレー技術によって、映像の視聴スタイルから、画角の制約が取り払われる。パネルを用いた従来のディスプレーでは、表示領域がパネルの枠内に限られるため、画角が小さい。そして、映像と同時にパネルの枠が見えてしまう。このため、映像に没入しづらく、その場にいるような迫力や臨場感を得ることが難しかった。プロジェクターを使って映像を投影する壁ディスプレーや、頭にかぶって視界を映像で覆う没入ディスプレーなどでは、パネルに起因する臨場感の制約を打破できる。