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絶縁層は「電気2重層」

 ゲート絶縁膜に相当する部分には高分子材料にイオン流体を含浸させてゲルにした材料を用いた。電圧を印加するとイオンが動き、電極付近で電気2重層コンデンサーのように機能する。この結果、ゲート電極をソース電極やドレイン電極と同一平面内に配置した「サイドゲート構造」のトランジスタでも駆動可能になったとする(図1(b))。ゲート電圧を-2V~1Vで変化させた場合の電流のオン/オフ比は104である(図1(d))。

リソ、転写、IJで製造

 製造プロセスには無機半導体で一般的なリソグラフィーに加えて、有機半導体やCNTを用いた回路形成によく用いられる転写技術やインクジェット(IJ)法などを総動員した(図2)。

図2 無機半導体と有機半導体の製造技術を総動員
トランジスタの製造プロセスを示した。リソグラフィー、シリコーンゴム基板への転写、インクジェット法、スピンコート法など、さまざまな製造プロセスを総動員している。
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 具体的には、Siウエハーの上に成膜したCNT層をリソグラフィーとプラズマエッチングでパターニングして各電極を形成。それをシリコーンゴム基板に転写した後、インクジェット法で半導体型CNTをチャネル層に塗布する。さらに、スピンコート法で薄膜化したゲート絶縁膜を切断した後にチャネル層の上に貼り合わせた。

 初めからシリコーンゴム基板を用いなかいのは、「シリコーンゴムがプラズマエッチングに弱いため」(同研究所の関口氏)という。