中部経済連合会はこのほど,中部地域が振興すべき重点産業技術としてナノテクノロジーを取り上げたレポート「ナノテクノロジーによる新技術・新産業の創出」を作成した。このレポートで産学官の連携体制を整備するため新団体を設立することを明らかにしたほか,国や自治体などへの提言をまとめた。

 新たに設立する団体は「中部ナノテク推進会議(仮称)」で「中部産業振興協議会」の下部組織とする。その主な活動内容としては,(1)他地域との差別化を鮮明に打ち出す産学官のベクトル合わせの基軸となる中部地域のナノテク戦略立案,(2)中部地域発のナノテク関連国家プロジェクトの提案,(3) 国の施策等を地域で束ねた,ナノテク関連予算の獲得戦略提案,(4)中部地域のナノテク関連プロジェクト推進に対しての助言・提言,を挙げた。

 国や自体への提言では,次の三点を強調した。「ナノテク・センター(仮称)」の整備とナノテク研究資金の拡充と効率的活用を取り上げた。ナノテク・センターは中部地域が強いシーズ(ナノカーボン材料など),中部地域が強い産業(自動車,航空機など)を対象とした研究開発を重点的,かつ効率的に推進するナノテク総合研究施設とした。研究開発のほか,シーズとニーズのマッチング,人材育成などの機能を提唱している。

 また,研究機関や大学,産官などへの提言として,既存の研究機関のナノテク・インフラと機能の強化,ナノテク人材の育成と活用体制の整備を要望した。前者では岡崎国立共同研究機構,産業技術総合研究所中部センター,ファインセラミックスセンターなどを具体的な例として挙げている。
 
 具体的な活動はこれからで,連合会では「ナノテク推進会議の参加メンバーや議論を進めるための委員の人選を進めている段階」(近松栄二技術部長)としている。(西村 勝彦)