北海道大学 電子科学研究所附属ナノテクノロジー研究センターなどが入居する同大学 創成科学研究棟が完成し(写真1),同大学は2003年11月27日竣工式を開催するとともに(写真2),式典参加者に内部を公開した。平成14年度補正および平成15年度予算で総額約65億円を投じたI期およびII期工事では延床面積約1万7000m2が完成し,そのうちナノテクノロジー研究センターは約500m2のクリーンルーム領域(写真3)を含む約6000m2部分に入居した。

 創成科学研究棟は,ナノテクノロジー研究センターのほか,同大学創生科学研究機構,同大学触媒化学研究センター(全国共同利用施設)---の3組織が入居している。南北140m,東西30m,5階建ての建物には吹き抜け,多目的スペース,談話室などが多く設けられており,各階にそれぞれの組織を配置するとともに,組織別の物理的境界がないのが特徴。これは,「組織を越えた研究交流,人材交流,情報交換,人材育成を期待している」(北海道大学総長 中村 睦男氏)ため。

 創成科学研究棟完成に先立って平成14年度に設置した創成科学研究機構は,既存の学部のワクを越えた複合融合領域の研究をする組織。学内にとどまらず外部の研究機関と包括提携を結び,提携機関には,創成科学研究棟内に研究室を提供する。

 ナノテクノロジー研究センターが所有するクリーンルーム,触媒化学研究センターが所有する情報資料室なども3組織の共同利用となっており,創成科学研究機構と提携した研究機関は,創成科学研究棟に入居している3機関の財産を活用できることになる。実際,すでに包括契約を結んでいる日立製作所は「知の創造という面で企業の研究は大学の研究に及ばない。現在北大との共同研究方法を煮詰めている段階で,2004年早々には明らかにできる」(日立製作所 電子材料研究部 部長 兼 基礎研究所 環境・エネルギーラボ ラボ長の三輪 崇夫氏)としている。(神保 進一)

【写真1】北海道大学 創成科学研究棟。III期工事で約2000m2を左下側に増設する予定。手前側の次世代ポストゲノム研究棟とは渡り廊下でつながっている
【写真1】北海道大学 創成科学研究棟。III期工事で約2000m2を左下側に増設する予定。手前側の次世代ポストゲノム研究棟とは渡り廊下でつながっている

【写真2】竣工式典の様子
【写真2】竣工式典の様子

【写真3】ナノテクノロジー研究センターが所有するクリーンルーム。クリーンルーム室は,クラス10,000が280m2,クラス100が60m2
【写真3】ナノテクノロジー研究センターが所有するクリーンルーム。クリーンルーム室は,クラス10,000が280m2,クラス100が60m2