日立製作所と筑波大学は2004年3月24日,日立グループと同大学の間で産学連携協定を締結したことを発表した。エネルギー,ロボティクスなど多様な分野で,技術連携と人材育成・交流を含む包括的な連携を目指す。茨城県に拠点を置く両者でもあることから,地域密着型の産業振興やベンチャー育成を目指すという。地域振興に協力してくれるあらゆる機関・企業に門戸を開放した,オープン型の連携を目指したものも特徴。

 筑波大学は様々な産学官連携の組織を設置運営し,すでにナノテク分野で三井物産と連携したほか,東京都大田区とも連携を進めてきた。一方,茨城産業会議などを通して地域連携・地域産業の振興策にも参加している。

 筑波大学はこれまでも日立と多くの面で協力体制を築き,共同研究などを進めてきた。2003年6月には日立の日立研究所および機械研究所との技術交流会を実施している。この技術交流会では,日立側から環境・エネルギー,ナノテクノロジー,情報・通信,バイオ・ライフサイエンスの4分野から25テーマを提示したところ,筑波大学側から7テーマに関して関心が寄せられた。そこで,筑波大学および日立の計29名の研究者が議論した結果,ロボティクスおよび分散型エネルギーシステムという2つの共同研究テーマが誕生したという。分散型エネルギーシステムでは燃料電池及びそれに使用するナノテクノロジー,エネルギー管理の情報システムなどが含まれる。

 日立製作所の中村道治 執行役専務は「期間や予算などは特に決めず,あくまでもプロジェクトごとで考える」という。

 日立はこれまでに,北海道大学,京都大学,慶應義塾大学,電気通信大学と産学連携協定を結んでいる。中村 道治氏は「個々の大学には個性や得意な分野があるので,それに合わせた活動をしていく,産学連携により学際的な萌芽的研究の成果を取り入れることで,互いの研究速度を加速させたい」と語った。萌芽的研究とはナノテクを含む上記4分野にまたがる研究だという。

 また,今後は連携協定を締結した大学同士の相互協力を実現することなどにより,産学官の大規模な連携ネットワーク構想を実現していきたいという。

 この連携は,筑波大学の産業リエゾン共同研究センターリエゾン推進室と,日立の研究開発本部研究アライアンス室を事務局窓口として推進する。 (西村 勝彦)

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日立の中村 執行役専務(左)と北原 保雄 学長
日立の中村 執行役専務(左)と北原 保雄 学長