2004年7月13日,福岡ナノテク推進会議は福岡市において第3回総会/シンポジウムを開催するとともに,展示会「福岡ナノテクNOW2004」を同時開催した(写真1)。総会では,事務局から平成15年度の事業報告と平成16年度の事業計画(案)の説明があり,順調に推進事業が拡大していることが分かった。

 また,交流会では,総会/シンポジウム参加者のほかに福岡県知事 麻生 渡氏(写真2)らも参加した。福岡県は,C60などの炭素フラーレンのサンプルをフロンティアカーボンから購入し,用途開発を目指している会員企業に無償提供するとともに,用途開発採択案件には助成をする「具体的なナノテク推進事業」(麻生氏)「フラーレンチャレンジ21」を展開しており,このような“福岡方式”が他の自治体や国のナノテク推進事業にも影響を与えていることに関して「結果的に福岡県が国にも先んじた事業を展開している」(麻生氏)とした。

 事務局によると,福岡ナノテク推進会議の会員数は,2002年6月設立時に172であったのが現時点(2004年7月7日)では276に増えている。同時開催の展示会の出展数も前回の22から55へと拡大している。

 平成16年度は,フラーレンチャレンジ21事業に8000万円の予算を計上し(平成15年度は1000万円),用途開発費用の一部助成(50万~150万円)として平成15年度採択済みの5件のほかに新たに6件程度のテーマを採択する。さらに,福岡県にとどまらず,佐賀県,大分県などでも炭素フラーレンの特性と用途開発についての説明会を開催する。また,フロンティアカーボン 副社長 技術センター長 有川 峯幸氏は「中部地方の2県からも用途開発事業についての問い合わせがある」として,福岡方式が各自治体で注目されていると説明している。さらに,フラーレンチャレンジ21事業に関係している三菱商事 事業開発部 ナノテク事業推進担当 シニアマネージャー 宍戸 潔氏は「福岡方式を国プロジェクトでも取り上げてもらうようにアピールしている」としている。

 福岡ナノテク推進会議が平成16年度から新たに始める事業としては「サンプルマッチング事業」「超顕微法研究会の立ち上げ」などがある。サンプルマッチング事業は,会員(大学や公的研究機関を含む)の製品や試供品の中で,新たな用途開発が見込まれるものに関して,使用したい会員からの申し込みによって,福岡ナノテク推進会議が窓口になるというもの。

 超顕微法研究会は,九州大学 産学連携センター 特任教授(九州大学長高圧電子顕微鏡室 前室長)木下 智見氏を代表として,企業が電子顕微鏡を利用しやすいシステムと人材育成の教育プログラムを開発する。

 また,文部科学省 私立大学学術研究高度化推進事業として採択された福岡工業大学 知能機械工学科 教授 仙波 卓弥氏(写真3)の「次世代超精密微細金型に対する高速製造技術の開発」プロジェクト(平成16年度~平成21年度)を,産学官共同研究ロジェクトとして企業への技術移転を通じマイクロ金型の短納期・低価格化を実現する。(神保 進一)

【写真1】福岡ナノテク推進会議主催の第3回総会/シンポジウムと展示会「福岡ナノテクNOW2004」
【写真1】福岡ナノテク推進会議主催の第3回総会/シンポジウムと展示会「福岡ナノテクNOW2004」

【写真2】福岡ナノテク推進会議第3回総会 交流会に参加した福岡県知事 麻生 渡氏(左)とフロンティアカーボン 社長 友納 茂樹氏
【写真2】福岡ナノテク推進会議第3回総会 交流会に参加した福岡県知事 麻生 渡氏(左)とフロンティアカーボン 社長 友納 茂樹氏

【写真3】福岡工業大学 知能機械工学科 教授 仙波 卓弥氏
【写真3】福岡工業大学 知能機械工学科 教授 仙波 卓弥氏