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 「日経ナノテク・ビジネスフェア2004」(日本経済新聞社主催,日経BP社共催)が2004年9月29日,東京ビッグサイトで開幕した。10月1日までの三日間,開かれる。

 初日午前に開かれた第4回日経ナノテク国際シンポジウムでは,高温超電導体の発見で1987年にノーベル物理学賞を受賞したIBM社フェローのJ.G. Bednorz氏が「ナノテクノロジーの発展を支える革新的な材料と素子の研究」と題して基調講演を行った(写真1)。同氏は,STMやAFMなどのSPM,次世代の情報通信への適用を視野に入れた量子蜃気楼,自身が発見した高温超電導体とナノテクとの関係など,IBMの研究所で実施されているナノテク関連の研究内容を紹介した。

 午後は「研究から事業へ ─ ナノテクビジネス成功への道」と題したパネルディスカッションが開かれた(写真2)。ここでは,大学と企業の役割,大事なのはニーズかシーズかなどについて参加者が持論を述べた。企業を代表するパネリストである堀場製作所 会長の堀場 雅夫氏は「ニーズを聞いてから研究するのでは遅い。客の潜在意識をどうやって先にキャッチするかが重要」,東芝 執行役常務 研究開発センター長の有信 睦弘氏は「人は無い物は想像できない。例えばパソコンも,与えてから用途が開拓された」と述べ,新しい製品を作るためにはニーズを追うだけでなく,まだ市場が見えない研究からスタートすることも重要であることを示唆した。

 展示会場(写真3)では,展示について熱心に質問する姿をうかがうことができた。例えば,松下電器産業は自社の先端研究制度による砂糖を原料とする燃料電池を紹介し注目された。また,材料の種類は様々だが,ナノメートルスケールの多孔質材料を紹介するブースが数多くあった。このほか,日立製作所,伊藤忠商事などナノインプリントを紹介する企業がいくつかあった。(黒川 卓)

【写真1】基調講演するIBMフェローのJ.G. Bednorz氏
【写真1】基調講演するIBMフェローのJ.G. Bednorz氏

【写真2】パネルディスカッションの風景
【写真2】パネルディスカッションの風景

【写真3】展示会場内の風景
【写真3】展示会場内の風景