広島大学と産業技術総合研究所は,2004年12月17日,大阪の千里ライフサイエンスセンターで,合同シンポジウムを開催した。両者が平成15年度から同時に進めている文部科学省科 学技術振興調整費 振興分野人材養成プログラムの内容を一般に紹介するというもの。

 会議は,産業技術総合研究所 理事で関西センター所長の請川 孝治氏の挨拶で始まった。請川氏は,「産総研も広大も独法であり,世の中のために研究を実際の産業に結びつけなければならない。既存の産業界では,そこで働く人材は自分たちで育てている。しかし,ナノテクノロジー,バイオテクノロジー,ITの融合が必要な新しい分野は既存の産業界に無い。従って,人材養成は我々が行う必要がある」と強調した。

 今回のシンポジウムは,科研費プログラムを進める“指導者”だけでなく,プログラムによって訓練を受けている“被養成者”が壇上でスピーチする点も特徴的だった。指導者側からは,産総研 ナノバイオ人材養成ユニット代表でセルエンジニアリング研究部門長の湯元 昇氏と,広大 ナノテク・バイオ・IT総合教育プログラムの代表で大学院 理学研究科教授の相田 美砂子氏がそれぞれのプログラムを紹介した。

 被養成者として産総研,広大から数人ずつ壇上に上がり,自らが進めている研究内容を発表した。これに対し,会場内から発表に対する感想やコメントが出され,指導者と被養成者の双方が答え,あたかも学位論文の審査会のようだった。一般的な研究発表会と異なり,今回のシンポジウムは講演者,参加者が双方で融合分野の人材育成の進め方について考える会となり,意義があった。(黒川 卓)

【写真】開会の挨拶を行う産総研 理事で関西センター所長の請川孝治氏
【写真】開会の挨拶を行う産総研 理事で関西センター所長の請川孝治氏