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松下電器産業が挙げたフォーサーズシステムの魅力
松下電器産業が挙げたフォーサーズシステムの魅力
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 オリンパスと松下電器産業は,レンズ交換式デジタル一眼レフ機の共同開発に合意した(ニュース・リリース)。2006年2月に米国で開催予定の展示会「PMA 2006」に実動する試作機を,オリンパスと松下電器産業がそれぞれ展示し,同年中に発売することを目指す。松下電器産業がデジタル一眼レフを投入するのは初めてである。

 両社の機種とも,オリンパスが提唱するデジタル一眼レフ機の規格「フォーサーズシステム」に準拠する(日経エレクトロニクスの関連記事)。同規格は撮像素子の光学サイズや,交換レンズと本体のインタフェースを定めたものである。なお松下電器産業は,フォーサーズシステムへの賛同を従来から表明していた(Tech-On!の関連記事)。

 両社が公表した合意内容は次の3つである。(1)フォーサーズシステムに基づく一眼レフ・システム(カメラ本体や交換レンズ,周辺機器およびアクセサリ)に関連した要素技術と基幹部品を共同開発する。(2)各社は共同開発の成果を盛り込んだ製品を自らの戦略に基づき商品化し,各社のブランドで販売する。(3)フォーサーズシステムの普及を目指して賛同会社の拡大と製品化を進める。

具体的には言及しないものの…

 今回の発表で両者は,開発する機種の概要や開発内容,開発・製造体制などを明言しなかった。「本日以降,具体的な商品企画を始める。それに応じて開発内容や体制を検討する」(両社)という。ただし記者会見の中では,オリンパスが実用化済みの撮像素子表面に付着した塵を振るい落とす装置の優位性を強調するなど,盛り込む機能のイメージはある程度持っているようだ。なお同機構はフォーサーズシステムの規格に含まれない。さらに各社が提供する技術として,松下電器産業は半導体や手ブレ補正機構の設計・製造技術,オリンパスは一眼レフ・システムを設計・製造するノウハウなどがあるもよう。

 このほか,質疑応答の主な内容は以下の通りである。

——なぜ今,協業に合意し発表するに至ったのか。

松下電器産業 光学式手ブレ補正付きコンパクト機「DMC-FX7」がヒットしたからだ。国内で単月の販売台数シェアがトップになったほか,これから本格販売する欧米の感触も良い。2006年度にデジタル・カメラの世界シェアを10%にまで高められる手応えをつかんだ。しかし技術進歩が速いデジタル家電では,多少成功しても短期間に逆転されうる。好調な今だからこそ,デジタル一眼レフの開発という難しい目標を経営側として設定し,開発現場と一緒に挑戦していくことで世界シェア目標を達成する意欲を高めたい。

オリンパス フォーサーズシステムが普及し始めたことで,当社以外のメーカーが採用する利点が鮮明になったためだ。フォーサーズシステムは2003年に発売した「E-1」から採用したが,E-1は20万円を超える実売価格のため累計出荷台数があまり多くない。しかし,2004年12月に発売した「E-300」がその月の計画台数を33%も上回って売れるなどヒットした。フォーサーズシステムの普及にメドがついたといえる。フォーサーズシステムに基づき当社が展開している関連製品群「E-システム」も充実してきたことも良い影響を与えた。なおE-1は,実売価格が20万円以上の機種に限れば,34%の国内販売台数シェアを獲得しており第1位である(2003年7月~2004年6月,GfK調べ)。

——松下電器産業は交換レンズの供給をオリンパスから受けるのか。

松下電器産業 ドイツLeica社との協業関係を生かしながら,当社自身が交換用レンズを設計・製造したい。当社がフォーサーズシステムに準拠する交換レンズを発売することで,消費者に幅広い選択肢を提供できる。なお現在はオリンパスとシグマが交換レンズを販売している。

——協業範囲をスタイリッシュ・コンパクト機に広げる考えはあるか。

オリンパス 当社のスタイリッシュ・コンパクト機事業は好調とは言いにくい状況なのは確かだが,現時点では自力で建て直しを急ぐつもりだ。

——松下電器産業は初めてデジタル一眼レフを開発するにもかかわらず,開発期間が1年少々と短い。

松下電器産業 確かに開発期間は短かく設計・製造の現場は大変だ。しかしデジタル家電の開発とはそうしたスピードが必要だと思う。当社は2004年度にデジタル・カメラを200万台弱出荷する見込みだ。2006年度に10%の世界シェアを獲るには,各年度で2倍以上の成長率を実現しなければならない。デジタル一眼レフの販売によってカメラ・メーカーとしての強いブランド力を確立したい。