挨拶をする日本経済団体連合会会長の奥田 碩氏
挨拶をする日本経済団体連合会会長の奥田 碩氏
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 東京大学は「東京大学産学連携協議会」の設立総会を経団連会館で開催した。同協議会は産業界から東京大学に対する要望や提案を直接受ける窓口としての役割や東京大学から産業界への情報発信の役割などを担う。設立総会では設立に協力した日本経済団体連合会会長の奥田 碩氏が挨拶し,テーマごとの共同研究といった企業単位での個々の連携ではなく,幅広いテーマで産業界が東京大学と交流して成果を創出していく場(プラットフォーム)となることに期待を表した。

 東京大学産学連携協議会は企業の代表者と同大学の役員や教員を会員とする。同大学が従来から備えている産学連携本部や,特許のライセンスなどを行う東京大学TLO,大学発のベンチャー企業に投資する東京大学エッジキャピタルとは役割が異なる。「ある分野で共同研究をしたい」というものではなく,「日本の産業界の方向性を考えたい」というような大きな視点に立つ要望に対応する。その結果は政策提言としてまとめたり,大学の持つ技術に従って共同研究を進める。例えば「少子高齢化の中でも,活力のある社会を実現するにはどうすれば良いか」といった課題については,高齢者の生活レベルを高く保つために必要な技術を食品や医療,エレクトロニクスといった分野から選び出して共同研究し,実現化を目指す。

 東京大学産学連携協議会は2005年1月17日現在,会員企業が348社と巨大な会である。活動の1つに分科会活動があり,2つの分科会グループに分けている。1つは将来の問題に向けた「重要技術課題分科会グループ」,もう1つは従来産学連携が少なかった文系の課題に取り組む「社会システム課題分科会グループ」である。分科会テーマの案として,前者では「活力ある高齢者社会を実現するための科学技術」や「環境と経済を考慮したエネルギー科学技術」,後者では「金融」や「人材育成・人材交流」などが挙がっている。